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04――終わったはずの物語

「さて、それじゃ……」

「ああ」

「おう」


【ラピス】の【マーチャの街工場】でお願いして、炉を貸してもらった後。

俺達は、約5時間の喧嘩の末創る武器を【大剣】に決めた。

【杖】を支持する俺と【重銃】を支持するサキモリと【短剣】を支持するフゼイの3人に分かれてしまって、有り得ないほど会議が長引いた結果、3人の武器と全く関係なくさらに姫様その他のバトルジャンキーにも関係ない……という条件で【大剣】となった。

俺が見つけた鉱石なのだから、【杖】かせめて【魔導書】にする権利ぐらいはあるのだが。

【魔導書】と言った瞬間、サキモリとフゼイに同時に睨まれて、「「それだけは駄目だ」」と怒られてしまったので妥協した。


何処までも妥協せずに選んだせいで、素材は【アダマント】をベースに据えて9thクラス【金】と7thクラス【ラピスラズリ】を色と効果の面からチョイス、さらに8thクラス【アンフィリッド】と8thクラス【ガリアルーシュ】を混ぜて強度と切れ味を強化、という有り得ないほど豪勢な代物となった。

具体的にはこの大剣1本で下手したら城1つ買えるほどである。

さらに一応鞘も7thクラス【エメラルド】と6thクラス【クロム】で創った物をサイズ調整して使う事にした。

お値段的にはただの城が広大な庭付きの城になるぐらいだと思ってくれればいい。

もっとも、あくまで全て例えとなってしまうのだが。なにせこの世界にある6つの城は既に買い取られてしまっているからだ。


まぁ何はともあれ。なんだかんだ言って剣は出来上がったのだが、ここでまたしてもフゼイが我儘を言い出して、ここ以外の場所で完成させたいと言ったのだ。

……フゼイにしては妥当な場所だったので採用したが。


そんな訳で。

俺達は、【ラピス】の街のど真ん中。

5年前に俺達が集まった超巨大な大広場の真ん中で、剣に宝珠を埋め込んで完成させることにした。


「たかが宝珠。されど宝珠。剣自体は形になってても、この宝珠が上手くはまらなければ意味ないからな?」

「はいはい。分かってるって」

ここに来るまでに3,4回は言った事を繰り返す。

別に剣を創る際に移動に移動を重ねる羽目になった事に怒ってなど無い。断じて無い。個人的にフゼイが優柔不断なので注意しただけである。


「さて、それじゃ……」

「ああ」

「おう」


剣を台座に置き、宝珠を上に置く。

愛用のハンマーを掲げ、丁度宝珠の真上になるように調整する。

「ハァッ!」



直後、色んな事が同時に起きた。


振り下ろされるハンマー。

急に光りだす地面。

忽然と消えゆくNPC達。

驚いた顔のままのフゼイ。

一瞬で周囲を警戒するサキモリ。

剣から目を逸らさないシグレ。

そして。


そして、振り下ろされたハンマーに、突如としてぶつかった、

モミジ(・・・)







終ってしまった筈の物語は、再びそのページを捲られる。


新たな来訪者と共に。

新たな小さな物語が、始まる。



  ・・・・ 終ってし(エンディット)()った物語(ファンタジア)  ・・・・


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