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その4

メイノーラさんの悪知………げふんげふん………いわく、ヴィルに王と直接話ができるようにしてもらい、王命をだしてもらう、ということだった。


「『神から賜りし紋様を額に持ちし者、またこの文字を解し者、王の名において保護する』………とかなんとか♪」


この世界の文字と私たちの文字はやっぱり当然のごとく違うものだった。

この世界は英語みたいなんだよね、構成とか。

といっても文字自体はアルファベットみたいなのじゃなくて、アフリカ系な感じ。

驚かれたさー勿論!

平仮名・片仮名・漢字という三つの文字を駆使して、るってのがね。

識字率も99%以上だってことも。

うん、日本語って本来、世界でも言語的に一、二を争う難しさなのよね。

しかし学力は世界の先進国の中では低いんだなこれが。

今はやっと、政府がこれじゃあマズイってんでなんとかしようって始めてるけど………まぁこれからの学生達よ、頑張れってとこかな。

ただ、勉強は出来る馬鹿にならないようにと願っているよ。

っと、話がズレた。


「なるほろー………」


要は、持ちつ持たれつってことか。

王都がどこにあるのか、どのくらい遠いのか知らないけれど、ヴィルとクラウはその間ゆっくりと勧誘も出来るし逃がしもさせないってことか。

でも、私は地道に歩いていく、なんてことは思ってなかったんだけどな。

村から村へ、町から町へ、人が住んでいるとこから他の住んでいるところへ移動するときはテレポート魔法を使う気満々なわけで。

森やら外の街道はギルドで受けた討伐依頼で出る気はないのよー。


「………ヒノさん?」


机に突っ伏す私を心配そうに声をかけてくれるヤウチさん。

ううう、だってだって!


「ミッション系RPGを生で体験したい〜っ!」

「ミッション………?」

「アール………?」

「ああ成る程ね、確かにそうなるか」


普通のRPGはドラ〇ンク〇ストとかポ〇ットモンス〇ーといった、町から町へ移動は基本的に徒歩で途中途中で出くわすモンスターを倒していくやつ。

ゲーム自体あまりやらないけれど、ミニイベント含め全クリしたことがあるのはキン〇ダム〇ーツの1と2ぐらいよ!

かくいうミッション系RPGってのは、本拠地があって、そこで発注されている沢山のミッションをクリアしていくもの。

ストーリーを進めつつ、ストーリーには関係ないミッションでレベル上げしたり、お金稼いだり武器や防具や素材収集できたりする。

モン〇ターハ〇ターは残念ながらクリアできなかったけど、ゴッ〇イーターやファン〇シース〇ーは全クリできたのよね。

こっちの方が性に合ってるみたいで………

もし現実に出来るのであれば、こっちやってみたかったの。

いわば、叶わぬ夢がまさに現実になろうとしているのよ!


「俺もヴィルも、凄く君たちに興味があるんだよなぁ」

「それがフラグなんだああぁぁっ!!」






なんやかんやと言い合っていたら微妙に、宿に飛び込むには宿屋の人も迷惑な時間になってしまった。

結局、私たちは砦に身を寄せるハメに………

ヤウチさんは、視察にくる人用の客室に泊まり、私はメイノーラさんのお部屋を間借りすることになった。

私も客室でよかったのに、それは私以外の人に猛反対されたよ。

女に飢えた男どもは肉食獣より質が悪いんだから駄目って。

んー確かに砦は町より少し離れたところにあるし、尚且つ花街も申し訳程度にしかないらしい。

そら女なら誰でもよくなるか。

せっかくだし、ガールズトーク(主に一方的な私の質問)に精をだしてみるかね。


「ハイレントさんとメイノーラさんて、いくつですか?」

「ガールズトークって、こういうのだったかしら?………アレと私は幼なじみよ。といっても年は結構離れているけれど。アレは確か今年で30だったかしらね」

「め、メイノーラさんは………?」

「22よ」


はい、年の差キターッ!

ぐわぐわっ美味しすぎるぅっ!


さらにメイノーラさんはこのメイトーラ地方の領主令嬢。

お兄さんがいるからお婿さんを呼んで…とかはなかったとか。

ただ、お家としては未だに騎士なんてやめて、結婚してほしいんだと、悲しそうに笑ってた。


「考えが古いのよね。ここの土地が、国の端だからなんて、理由にしたくはないけどそう思ってしまうことが何度もあったわ」


名前も本当はエリザベスなんだって。

なんか古くさいから嫌って………確かに私も思い出すのはエリザベス女王だし。

でも愛称はリズとかリザで、可愛いと思うよ。

どっちも好きなキャラと同じだから、むしろそっちのイメージが強いかもしれない。

気高く逞しく美しくて、でも涙も見せることがある女傑っていうイメージ。

メイノーラさんも、天然パーマのプラチナブロンドをショートカットに切っているから、美人なだけでなく、凛々しさも備えている。

翠の瞳も印象的だ。

このメイトーラ地方を治めた初代にそっくりなんだって。

メイトーラという男性と、メイノーラという女性が始祖。

二人は双子で、魔獣や魔物、賊で溢れていたここら一帯を平定した。

その間にいくつもの英雄的逸話があるらしく、最初は違う名前だったのにいつしかこの地方のことをメイトーラと呼び、メイノーラという、双子を称える神殿を作ったと。

すげー、アッシュ家。


「にしても、貴女は不思議な人ね」

「ほへ?」

「私が今まで出会った女性たちは、みんな恋の話をしたがるのよ。私自身のことを聞いてくれないわ」

「そら、私だとて全く興味ないことはありませんが、どんなことにせよ、その人の人と成りを知らなければ話したってツマラナイですから。その人と仲良くなりたければ、ですけど」

「仲良くなりたくなければ?」

「縁も所縁もなければ、人と成りはどうでもいいんで、教訓にして他の人との会話のネタにします」

「あっさりしてるのね」


ううっ、声が出てない笑顔も素敵です!




他にも色んな話をして、一日目の夜は更けていった――――。


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