その1
ゆっくり更新ですが、よろしくお願いします
はじめまして、私は檜乃櫻といいます。
大学三年生の二十一歳です。
ある大学で委員長とコーラス平部員を兼任してます。
心理学を学んでます。
好きなものは漫画全般と二次創作!
好きなことは漫画を読むこととネサフすること、二次を書くこと♪
絵も時々描くけれど、これがまたへたっぴで。
模写は好きなんだけど〜。
え、他はって?
うーん、彼氏はいません。
興味ないっていうか五〜六歳くらい歳上が好きなんで。
あ、あとは人間観察も好きだな。
人をからかうのも好きー。
だからあだ名が女帝なんだよね〜………別にいーけど。
そんなオタクで枯れてる私と先輩後輩友人が織り成す、痛快異世界コメディ時々恋愛とシリアスをお送りします!
それは、金曜日のこてでした。
この日は部活と委員会の活動が被っているのですが、委員会の方に行ってます。
理解ある部活の人たちで本当に助かります。
まぁ、持ちつ持たれつなんですが。
さてさて、20時には活動が終わり、50分までのんびり(ダラダラともいうが)して、帰宅します。
先輩の一人(早瀬さん・男性)は彼女さんと帰るので先にもう帰っています。
2年生の後輩(及川・男)はなんやかんやと忙しくしていて、こっちもさっさと帰ります。
また一人の先輩(真木さん・男性)は学校の近くで一人暮らしなので近い駅がある方とは逆の校門から帰ります。
もう一人の先輩(真辺さん・男性)も、ちょっと歩いたところにある違う路線の駅まで歩いて行かれるのでそっちの方に行きます。
一年生たちは一年生だけでわやわやと帰っていくので自然と、残った男の先輩(矢内さん・男性)と私で途中まで一緒に帰ります。
基本的に私が話題をふって矢内さんが答えてくれたり、また矢内さんが話をしてくれたりとなんだかんだと楽しく帰ります。
え、付き合ってるんじゃないのか?
違いますよぉ。
よき先輩後輩、仲間です。
去年、すっごく苦楽を共にしたんですよ………今いる一年生以外と引退した人達でね………さておき、駅の改札を抜けたところに部活の人達がいました。
お互いにお疲れ様ーとか言って、先に矢内さんとホームに行きます。
だって今は委員会の日ですからー。
そんなこんなで、電車を待っていました。
ホームには向かい側合わせて大体50人くらいでしょうか。
昨今の節電で、外の体育会系の部活は強制的に活動が短くなってますからねー、夜も微妙に遅いですし。
後もう、2〜3分で電車が来る頃でしょうか。
突然、真っ暗けっけになりました
「…………」
停電とは違うようでした。
普通の停電だったら、床まで真っ暗になりませんからね。
さらに隣にいた人が見えないわ、いないわ、なぁんてありえないから。
こりゃあたし、死んだかなと本気で思っちゃいましたよー。
「死んでないよー。ちょっと別次元に移動しただけだから」
目の前に、この世の人とは思えない別嬪さん………な男性。
銀色に薄緑の短髪よー。
真っ白なローブを着ちゃって、私に微笑んでいます。
「…………だれ」
「やだなぁ、あからさまな格好してるんだから解るでしょ?僕は「カミサマ」………わかってんじゃん」
「ついでにこの後言われそうなこともね」
「な〜んだ?」
「異世界に飛ばすんじゃないの」
「せ〜かい!」
大袈裟に拍手するな、ウゼェ。
「でも大丈夫!皆いるから。君だけじゃないんだよ?」
はぁ?
「あの駅にいたみーんな、異世界に行ってもらうから!」
はああぁぁああっ?!
とりあえず質問しまくった。
どんな世界なのか
魔法とやらはあるのか
魔法の種類と構成方法は
なんの為に
どんな人がいるのか
異世界人を知っているか
そこにいる人達はなんの能力を持っているのか
とか、とか。エトセトラ、エトセトラ。
しかもなんか、3つだけ能力をつけてくれるって。
だからここぞとばかりに言ってやったわ。
「一つ目、次元と時空を何度も越える能力。とりあえず地球とこれから送られる世界でいいから」
「それは二つになるよ?」
「何言ってんの?一言でとは言わなかったじゃん」
「………そうでした。わかったよ、じゃあ「二つ目はその世界にある魔法全て完璧に強力に簡単に使えるようにして。三つ目は身体能力をその世界にいる女性の平均より2.5倍上げて」…………ズル賢いね、君は」
「ありがとうございます。とても嬉しいわ♪」
なんかコ〇ン君がデフォルメでため息ついてるような、そのぐらい深いため息ついて、深く肩を落とした。
んなもん、知るかいな。
「はぁ〜なんでこの子担当になっちゃったんだ………」
「御愁傷様。ねぇ、するなら早くして」
「ていうか君、送っても帰る気マンマンじゃないか!」
「だ〜か〜ら、次元と時空を越える能力って言ったじゃん。言っておくけど、私は全く関係ない世界の為に、自分の世界を捨てられるほどお人好しじゃないよ。好きな本や漫画がまだ続いてるし、それを読むのが私の生き甲斐だしね。でも、危険に侵されてる人達がいるって聞いておきながら放っておけるほど冷酷でもないよ」
ポカンとするカミサマ。
ふふん、参ったか!
「…………キツイって、よく言われない?」
「そうだね。しかもその通りだから何も言い返せないってね。でも為になる、とも言われる。それに自分でも言い過ぎたと思ったら謝るし、ちゃんといいところも褒めるよ。おかげさまでそれなりの友人関係を保たせて貰っているね」
「じゃあ大丈夫だね〜」
顔が崩れるくらいにだらしない笑顔。
なんか怪しいな。
「では、では!早速行ってきてもらいます!君と同じ異世界渡りの人は君たちにしか見えないけれど額に薄緑の紋様があるから、見分けるのに役立つと思うよ」
了解。
見せてはくれないわけか。
「他の人達はもう先に行ってるからね。各地に」
「一緒の場所にしろよ!」
「頑張って探して〜♪あ、君と一緒にいた子のところには送ったげる」
「当たり前じゃ!」
くっそー
余計な仕事増やしやがって!
探すところから始めなくちゃならんとはっ
「檜乃さん、大丈夫?」
「…………おお」
眩しい光が瞬いて、目を開いた時には矢内さんの心配そうな顔と青空と木々が見えた。
「随分遅かったね」
「まあ色々と話してましたから。………矢内さん、この世界のこと、お聞きになりました?」
「うん。魔物が人間を喰い殺すのが酷くなってきたらしいね。あと各国で跡目争いも酷いとか」
「私も聞きました。それで、ですけど」
「なに?」
「正直、んなことに50人も必要かと思うんですよ」
「まあ、確かに」
「それに皆ここに来るのは不本意だとも」
「帰れないしね」
「私は異界渡りの力を貰いました」
「…………は?」
「ここと地球のみですが。そこで矢内さん。貴方は帰りたいですか?もう、来たくないですか?カミサマ曰く、あまりにも帰りたいと願うなら折りをみて帰すつもりなんだとか。折りをみてって、いつだよっ」
あ、エアー突っ込みをしてしまった。
こほん
「あの時間帯に帰すことが出来ます。如何ですか?」
「…………檜乃さん」
向かい合って座る私たちの上で鳥がギーギーと鳴く。
くっそ、ここはピチチだろっ。
「檜乃さんはどうするの?」
「ここへ送られた人達を、旅をして探します。そして帰します。あの時間帯に、帰りたくてもう来たくない人、みんな。………それ以外の人でも一旦は帰そうかな、と。また後日集まってここに来る、とか。大学の講義内容を忘れてしまいますからねー。また来るのは夏休みが始まってからにしよーかな」
「…………行き来が出来るなら、また来たいな」
「そうですか」
「俺は男で一人っ子だから、両親を残していけないと思ってる………でも、こんな非日常なことを体験していたいとも思っているんだ」
目がキラッキラしてますね。うん、やっぱり真辺さんのお友だちなだけあります。
「じゃあ、まあ一旦帰しますね」
「ちょちょちょっ!」
「はい?」
「俺も檜乃さんと一緒に他の人を探すよ!」
「はあ」
「女の子一人じゃ大変だって。ここだって森なんだか山なんだかわからないけど、盗賊や魔物もいるだろうし、危ないじゃないか」
「大丈夫ですよう。残りの二つは全魔法を強力に使えるってのと、身体能力を倍にしてもらいましたから」
「あのさ、檜乃さん………RPGでも魔法系は後衛でしょ」
「使ったことないですけど」
「それは何度も聞いたから知ってるけど、基本的に!………俺の三つは、身体能力を倍、剣の扱いに長けること、魔法が使えること。正直に言って魔法をどうやって使うのかは知らないから、剣しか使えないってことだけど。なんにせよ、魔法はタイムラグがあるし遠距離のものだから」
んん?
つまり、近接がいないとめちゃめちゃ弱いってことですかい。
「いいんですか?」
「むしろ頼みたい感じだけどね。それに他の人だって、檜乃さんみたいに考えがいかなかったと思うよ。っつーか、よく思い付いたよね」
「あー………異世界トリップ小説を読みまくりましたからね。飛ばされて一番に困るのが『帰れない』ってことでしたんで」
まぁ正直、世界が地球しかないなんて随分前から思ってはいなかった。
パラレルワールドはあると思っていた。
ただ、お互いに不可侵なだけで。
本当は、すっごくワクワクしてる。
自分の狭い世界が開けたようで、そしてこれからも開かれていくようで。
「真辺は悔しがるよな」
「連れてけって言うでしょうね」
「もう行かないって人の代わりにならないかねぇ」
「おい、お前たち」