表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

灰の世界

ダークファンタジー

Black king


1話.灰の世界


…頭が痛い

ずっと寝ていたのだろうか。

周りは知らない場所でなぜ寝ていたのかもわからない。


どうやら、俗に言う記憶喪失というものにかかったらしい 自分に関する情報も覚えていない。


さて、どうしようか。

記憶喪失してなにも覚えていないからこその妙な落ち着きがあった。


地面は少し湿っていて木は死んでいるような色をしている。葉もついていない。

ここからなにをすればいいのかも分からない。


とりあえず前に進むことにした。


ーーー歩き始めて少し時間が経ったところで僕は歩くのを止めた。


人がいた。

服はかなり汚れていて、

身体には所々に傷が見えた。


「大丈夫ですか?」


そう問いかけると、ゆっくりこちら側を向き、返事をした。


「大丈夫だ。あんたこそ大丈夫か?こんなところで武器を持たず歩くなんて」


「 ? 」


武器?記憶喪失してはいるけどそれぐらいの常識はある。武器は普通持ち歩くものではない。


「…なんだその顔。もしかして"新入り"か?」


「…新入りって?」


「火種のことだ。そんなことも知らないなんてやっぱりあんたは新入りってことだな。」


「となると、火種のことも説明しなきゃな…なぜか記憶喪失していて、王の火を受け継がなきゃ死ぬ。それが火種だ。」


王の火?受け継がなきゃ死ぬ?

理解が追い付かない。

異世界転生的なものをしてしまったのだろうか

だけど、記憶喪失しているしそれも分からない。

とりあえず僕はこれからこの世界で生きなきゃいけないらしい。


生きるためには王の火を受け継がなければならない。

まず王の火について聞いてみよう。


「王の火ってなんですか?」


「王の火か。王の火はあっちのでかい城にある火のことだよ。今はそれが消えかけている。それを受け継いで復活させるのがあんたの仕事だ。ちなみに火がこのまま消えたら世界は終わりだ。つまり、あんたには受け継いでもらわなきゃ困るんだよ。」


いきなり記憶喪失して異世界転生して世界救わなきゃ死ぬと言われる僕が可哀想とは思わないのだろうか。


「まあ頑張ってくれよ。俺もお前のこと応援するよ。

…じゃ、さよなら。」


そう言うとすぐに前に進んでいった。

結局僕の状況は良い方向には動いていない。

僕も進むしかない。


そう思い右足を前にだした瞬間ー


ヴぅオンッ


横から何者かに殴られた。

かなり強めに殴られたようだ。

腕にはあざができ、意識が飛びそうになるぐらい痛い。


逃げようと思い、走り始める。

後ろから激しい足音がし始めた。

一瞬振り向いた。


ーーそこにいたのは、人でも獣でもなかった。


それはまさに異形だった。


頭は平べったく、潰れている。

体からは時々骨が浮き出ている。

それなのに筋肉は僕以上にはあった。

そして目に白目がなく赤く、光っているのが怖かった。


振り向いたせいか、異形の足がはやかったせいか、僕はすぐに追い付かれ、もう一度殴られた。


シュンっッ


なんとか避けることができた。そしてわかった。

こいつから逃げることはできない。


僕はちょうどちかくにあった。尖っている木の棒を構えた。

テキトーに拾ったにしてはかなりいい棒だった。


そんなことをしている間に、こんどは蹴りをいれられる。


ブオッ


避けることはできず、転んだ。

だが、棒は離さず転んだ状態で、異形が近づいてきた瞬間ーー


ズウッ…


腹部に棒を刺した。そのまま抜かずに奥まで刺す。

貫通するほど大きなダメージを与えることはできなかったが、かなりのダメージを与えられた。


…よし、勝った

このまま傷は致命傷となり相手は倒れるだろう。

そう考えていた


グッ、

ボコォっ!

「かはっ、!」


異形は棒が突き刺さったまま、僕を殴った。

僕は地面に転がり、うつぶせになった。


そして、起き上がる間もなく、


ボコッ


バッッ


ズドォッ


僕はそのまま三回ほど殴られ、立つことすら難しいほどにボコボコになった。

ここからどうする?

逃げることはできない

戦うしかない

だがどうやって勝つ?


考えている時間はない


立った。足が悲鳴をあげていたがこうするしかなかった。

殴られて吹っ飛んだおかげで異形との距離は離れている。少し動くぐらいの時間はあった。


近くの棒を持つ。

まだ射程距離内にはいっていない。

異形も僕も攻撃はできない。


…普通は…

頭を少し使えば解決することだった。

人間はこれまで知能で生き残って来たのだ。

僕は近くの棒を異形の目に向かっておもいっきり投げた。


棒は完璧に異形の目を潰した。


そして、間を空けず二本目も投げた。

幸いここは森だ。木の棒ぐらいどこにでもある。


二つの棒が異形の目二つを潰した。

相手の視界は完全に閉ざされた。

だが目を潰しただけなので走ることはできる。異形がこっちに走ってくる。


異形は殴りかかってきた。


だがさっきまでと違って目が見えていない。

すでに僕は後ろにさがっていた。

拳は空を切り、異形は少し体勢を崩した。


そして、僕は棒を拾い、投げる。


ヒュンッ  ヒュンッ ヒュンッ

    ヒュンッ


異形には何本もの棒が刺さり大量の血がでた。

さすがの異形も動けなくなり、その場にしゃがみこんでいた。


僕はその間に後ろにまわり、心臓を背後から突き刺した。

異形はバタりと倒れ、完全に息の根を止めた。


勝った。

だが多数の傷や、異形のこともありまだ安心はできない。


こんなところでとどまるのは危険かもしれないが、休んでから行こう。


そして痛みが引いてきたら、また


歩もう。この世界で生きるため、



第一話「灰の世界」 終わり



無断転載禁止






作者

なろう初めてなんで応援してくれるとありがたいです。これからもこの物語は続きます。最後まで読んでくださりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ