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愛を求めてどこまでも〜男はどこまでも行く。あの言葉を胸に〜  作者: 暁 龍弥
少年編

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第26話

翌日の昼休み。

学園の大広間、購買前のテーブルに集合した男子4人――

僕、ザン、ヴァイス、ティノ、そして何故か当然の顔でカイル。


カイルがパンを片手に宣言する。


「――よし、今日は男子会だ!!!」


周囲(突然どうしたの…?)


ザンが呆れた顔でツッコむ。


「勝手に決めんな。何の集まりだよ」


「もちろん!!

 アルスの“恋愛事情徹底サポート会議”だ!!!」


全員「解散していい?」


しかしカイルは引かない。

机を叩きながら叫ぶ。


「この前の“エリシアの二人きり宣言”!!

 あれはもはや!

 ラブコメの幕開けなんだよ!!!」


僕「言い方やめてくれる?」


ヴァイスは紅茶を飲みながら冷静。


「まあ、確かにあれは完全に“好意の匂い”だったね。

 研究対象という言葉は建前で、本音は別だ」


ティノも珍しく頷く。


「ていうかアルスって、セレナさんとも仲良いのにさ……

 新ヒロイン参戦ってなったら絶対揉めるじゃん?

 恋愛ドラマの序盤イベントじゃん?」


僕「ドラマじゃないよリアルだよ」


ザンは腕を組んで目を細める。


「で?お前はどうすんだ、アルス。

 エリシアはガチで“気持ち”が入ってる。

 放っておくと後戻りできなくなるぞ」


直球が刺さる。


(どうするって言われても……

 まだ「好かれたい/好き」なんて整理しきれていない)


そんな僕の沈黙に、カイルが身を乗り出す。


「じゃあさ!!

 “誰が好みか”だけでも言っとけ!!!」


男子会、恐ろしすぎる。


ヴァイスがメモ帳を開いた(なんで準備してるの)。


「はい、候補者は現在――

 セレナ

 エリシア

 マリーヌ(幼馴染枠)」


ティノが手を挙げる。


「いや、教師のユーリ先生も一応入らない?

 めっちゃ避けられたけど」


ザン「やめろ、死亡フラグすぎる」


カイルは両手を組んで祈り始めた。


「頼むアルス……夢を見させてくれ……

 “好きな子はいません”とか無しで頼む……!」


僕「言わせないでよ!?

 まだ誰かを“好き”って言える段階じゃないし!」


その言葉に、ヴァイスが目を細める。


「つまり、“嫌いな子がいない”とも言えるね」


ティノ「おお、モテ体質の王道コメント」


ザン「言っとくが、曖昧にしてると全員落ちるからな」


僕「それはそれで困る!」


カイル「困るのは視聴者だ!!!」


視聴者って誰だ!!


でも、みんなが何だかんだで真剣なのは伝わった。


今の言葉は、曖昧に誤魔化しただけじゃなく、

“まだ選ぶ覚悟ができていない”という本音。


――そのままではきっと誰かを傷つける。


(わかってる。だけど、急ぎたくない)


◆◆◆


午後の授業。


男子会の熱が尾を引いたまま、僕の意識は少しフワフワしていた。


黒板の説明も先生の声も、頭に入りづらい。


そんなとき――

窓の外に黒い鳥が一羽、止まっているのが見えた。


黒い羽。

赤い瞳。

どこか“監視”の気配。


(……またか)


図書塔でも見た。

屋敷にも飛来していたことがある。


ただのカラスにしては魔力の揺らぎが不自然だった。


(敵側……? それとも別の勢力……?)


けれど僕が目を凝らした瞬間、鳥は音もなく飛び去った。


胸の奥が冷える。


(また……何かが動いてる)


それでも、授業は進むし、

隣ではティノが眠そうにノートを取っている。


日常と危機が、すぐ隣同士に存在しているのが不気味だった。


◆◆◆


放課後。


寮への帰り道――

男子組は4人でぞろぞろ歩いていた。


ザンが不意に言う。


「なあアルス。

 本当に迷ったら、俺たちに相談しろよ」


ティノ「恋愛でも事件でも、全部」


ヴァイス「仲間だからね。背負い込みすぎないように」


カイルは感動した目で僕の肩を掴む。


「俺たちはアルスの味方だ!!!

 ヒロイン戦争が勃発しても!!

 世界が滅んでも!!

 最後まで味方だ!!!」


ザン「規模の上がり方がおかしいんだよ」


僕は自然と笑っていた。


「ありがとう。本当に頼りにしてる」


照れくさかったけど、

それはちゃんと伝えなきゃいけない言葉だった。


カイルが空を見上げながら叫ぶ。


「よっしゃあ!!男子会、これにて閉会!!!

 次回“決戦!バレンタイン編”で会おう!!!」


全員(まだ日程すら決まってない)


騒がしくて、面倒で、最高に楽しい。


事件は続く。

影は動いている。

恋も絡み始めている。


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