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風の記憶

風が吹いていた。

それは、ただの風ではなかった。

灯の誓いが、桜の岸辺で芽吹き、風となって広がった。


兎子は、その風の中にいた。

彼女の歌は、風に溶け、記憶となってささやいていた。


「わたしは、灯だった。

 あなたは、風だった。」


グラナータは、風の庭を歩いていた。

風が語る声は、過去の選択だった。

それは、ダリアの声でもあり、彼自身の声でもあった。


シルバーフォックスは、風に古代文字を見た。

風が運ぶ記憶は、言葉にならないものだった。

それは、詩であり、旋律であり、沈黙だった。


そして、無言の来訪者が現れた。

その存在は、言葉を持たず、ただ風と共鳴していた。

乗組員たちは、その共鳴に耳を澄ませた。


「この風は、わたしの記憶。

 この風は、わたしの選択。

 この風は、わたしの存在。」


風が庭を包み、灯の残響が響いた。

それは、過去を赦し、未来を選ぶための風だった。


そして、船団は知った。

風は、記憶を運ぶだけでなく、存在を繋ぐものだった。


この庭は、風の記憶。

この庭は、わたしたちの共鳴。

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