表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/75

風の記憶

風が吹いていた。

それは、ただの風ではなかった。

灯の誓いが、桜の岸辺で芽吹き、風となって広がった。


兎子は、その風の中にいた。

彼女の歌は、風に溶け、記憶となってささやいていた。


「わたしは、灯だった。

 あなたは、風だった。」


グラナータは、風の庭を歩いていた。

風が語る声は、過去の選択だった。

それは、ダリアの声でもあり、彼自身の声でもあった。


シルバーフォックスは、風に古代文字を見た。

風が運ぶ記憶は、言葉にならないものだった。

それは、詩であり、旋律であり、沈黙だった。


そして、無言の来訪者が現れた。

その存在は、言葉を持たず、ただ風と共鳴していた。

乗組員たちは、その共鳴に耳を澄ませた。


「この風は、わたしの記憶。

 この風は、わたしの選択。

 この風は、わたしの存在。」


風が庭を包み、灯の残響が響いた。

それは、過去を赦し、未来を選ぶための風だった。


そして、船団は知った。

風は、記憶を運ぶだけでなく、存在を繋ぐものだった。


この庭は、風の記憶。

この庭は、わたしたちの共鳴。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ