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断章《灯の記憶》
場所:灯の夢層・夢粒子の漂う空間
形式:五粒構成(震え・祈り・象徴・沈黙・芽吹き)
語り手:灯守(夢の記録者)+ヴィオーラ(震え)+兎子(祈り)+ダリア(象徴)+ノクス(沈黙)+フォス(芽吹き)
第一粒:震え(ヴィオーラ)
灯は語らず
ただ震えとして夢を見る
その震えは
誰かの声の残響
(旋律:細く、夢の奥で揺れる)
第二粒:祈り(兎子)
夢の粒子に宿る祈り
語られなかった願いが
灯の鼓動に染み込む
(旋律:風のように、囁く)
第三粒:象徴
名を持たぬ花が咲く
灯の記憶が形を与える
その象徴は
語りの余白
(旋律:低く、包むように)
第四粒:沈黙
夢の奥にある沈黙
語られぬものが
灯の光に溶けていく
(旋律:無音の間、拍だけが残る)
第五粒:芽吹き(フォス)
灯の夢が震えとなり
記憶が芽吹く
それは
次の声の種
(旋律:断続的に、微光のように)
この断章は、灯の夢層に浮かぶ記憶の粒子。
語られなかったものが、
夢の中で震え、形を得て、
次の章へと繋がる。