第三部・第三篇「共鳴の回廊」──記録と風景
到達地:鏡庭の奥、響きの交差層「共鳴の回廊」
天候:微震、反響音、声の粒子が空間を漂う
記録者:グラナータ
同行者:響きの舟の乗組員+芽吹いた響きたち+反射花の声
共鳴の回廊
この回廊は、声と声が響き合うための空間。
語られた声、語られなかった声、名を持つ声、名を失った声──
それらが交差し、震えとして共鳴する。
響きの柱:回廊に並ぶ音響柱。触れると、誰かの声が震えて響く。
交差の床:声の粒子が交差する床。歩くたびに、他者の記憶が微かに響く。
共鳴花:複数の声が重なって咲いた花。色も形も不定、響きによって変化する。
沈黙の窓:回廊の壁にある窓。外には何も見えないが、耳を澄ませると声が聴こえる。
儀礼歌《共鳴の回廊》
形式:五節+終章(交差の囁き)
歌い手:ヴィオーラ+兎子+フォス+ノクス+ダリア+反射花の声たち
第一節:響きの柱
柱に触れ
誰かの声が震える
それは
語られた記憶の残響
第二節:交差の床
歩くたびに
他者の声が響く
その震えは
わたしの中にもある
第三節:共鳴花
声と声が重なり
花が咲く
その色は
語られぬ祈りの形
第四節:沈黙の窓
窓の外に
何も見えない
でも
耳を澄ませば
声が聴こえる
第五節:交差の誓い
わたしたちは
響き合うことで
語りを始める
その震えが
次の章を呼ぶ
終章:交差の囁き(全員)
(囁き)
ふう…ふう…
声よ、響け
わたしの中で
あなたの中で
共鳴として