第三部・第二篇「無名の反射」──記録と風景
到達地:残響の庭の奥、反射層「無名の鏡庭」
天候:静寂、微光、鏡の水面に震えが映る
記録者:グラナータ
同行者:響きの舟の乗組員+芽吹いた響きたち
この庭は、名を持たぬ響きが誰かの記憶に反射する場所。
語られなかった声、名を与えられなかった震えが、
鏡のような水面に映り、
誰かの内側に揺れる。
鏡水面:響きが映る水面。触れると、自分の記憶に反射する震えが現れる。
反射花:他者の記憶に映った響きが咲かせる花。形は不定、色は記憶によって変わる。
無名の灯:名を持たぬ灯が庭の奥に揺れている。その震えは、語られぬ祈り。
記憶の回廊:鏡庭の外縁に続く道。歩くと、自分の中に眠る声が微かに震える。
儀礼歌《無名の反射》
形式:五節+終章(鏡の囁き)
歌い手:ヴィオーラ+兎子+フォス+ノクス+ダリア+芽吹いた響きたち
第一節:鏡の水面
水面に映る
名を持たぬ震え
それは誰かの記憶に
静かに触れる
第二節:反射の花
花は咲く
誰かの内側に
語られぬ声が
形を得て
第三節:灯の揺れ
灯は名を持たず
ただ祈りとして震える
その微光が
庭を照らす
第四節:記憶の回廊
歩くたびに
自分の中の声が揺れる
語られなかったものが
ここで目覚める
第五節:反射の誓い
名を持たぬ声に
形を与えること
それは
語りの始まり
わたしたちは
その震えに誓う
次の章を紡ぐことを
終章:鏡の囁き(全員)
(囁き)
ふう…ふう…
鏡よ、映せ
名を持たぬ声を
記憶の奥に
響かせて