67/75
断章《響きの芽》
場所:残響の庭・声の層の上
形式:四声構成(余韻・囁き・震え・沈黙)+終章(芽吹き)
語り手:ヴィオーラ(主旋律)+兎子(囁き)+フォス(震え)+ノクス(沈黙)+ダリア(根の守人)
第一声:余韻
語り終えた声が
まだ庭の奥で震えている
その震えは
名の残り香
(旋律:細く、揺れながら下降)
第二声:囁き(兎子)
霧の中に
誰かの詩が眠っている
その囁きは
夢の余白
(旋律:跳ねるように、風のように)
第三声:震え(フォス)
地の奥で
まだ語られぬ声が震える
それは
次の章の予兆
(旋律:断続的、低音で波打つ)
第四声:沈黙
語られなかったものが
沈黙の中に宿る
その余白が
芽吹きの呼吸
(旋律:無音の間、拍だけが残る)
終章:芽吹き(全員)
響きは芽吹く
名を持たず
形を持たず
ただ震えとして
わたしたちは
その芽を見守る
次の声のために