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七人の“灯の記憶”

1. グラナータ — 灯を抱く者

• 記憶:灯が震えた夜、誰かの声が胸に宿った。

• 断章:

• 灯が震えたとき、

わたしは沈黙を抱いた。

それは誰かの声だった。

まだ言葉にならない、

でも確かに、わたしの中で揺れていた。


2. ヴィオーラ — 灯台の声

• 記憶:灯に触れた瞬間、過去の声が目覚めた。

• 断章:

• 灯は、わたしの指先で震えた。

それは、遠くの誰かが残した声。

わたしはそれを聞いた。

そして、わたしの声がそれに重なった。


3. 兎子 — 詩を歌う者

• 記憶:灯の震えが、詩の種を芽吹かせた。

• 断章:

• 灯が震えたとき、

わたしの胸に詩が芽吹いた。

それは誰かの涙だったかもしれない。

でも、わたしはそれを歌にした。


4. ダリア — 夢を編む者

• 記憶:灯の揺れが、夢の中の花を咲かせた。

• 断章:

• 灯が揺れた夜、

わたしの夢に花が咲いた。

その花は、名前を持たなかった。

でも、風がその名を囁いた。


5. セレナ・ノット — 潮の歌い手

• 記憶:灯の震えが、母の声を呼び戻した。

• 断章:

• 灯が震えたとき、

潮が母の声を運んできた。

わたしはその旋律を覚えていた。

それは、わたしの中で生きていた。


6. ロウ・ヴェルク — 沈黙の航海者

• 記憶:灯の震えが、無言の叫びを紙に落とした。

• 断章:

• 灯が震えた夜、

わたしは筆を握った。

誰も聞こうとしなかった声が、

紙の上で叫び始めた。


7. カイ・エルド — 地図を描く者

• 記憶:灯の震えが、存在しない島の輪郭を描いた。

• 断章:

• 灯が震えたとき、

わたしは線を引いた。

その線は、風が語る島の輪郭だった。

まだ誰も知らない場所。

でも、わたしはそこへ向かう。


灯の記憶が揃ったとき

七人の記憶が揃ったとき、

酒場の灯は、一度だけ強く揺れた。

それは、沈黙が完全に声になった瞬間。

そして、風が新たな航海を告げる。


詩「灯が震えた夜に」

灯が震えた夜に

沈黙は 声になった

それは 誰かの記憶

それは 誰かの願い


グラナータは 灯を抱き

ヴィオーラは 声を重ね

兎子は 詩を歌い

ダリアは 夢を咲かせた


セレナは 潮を聴き

ロウは 筆を走らせ

カイは 地図に線を引いた


それぞれの沈黙が

風に触れたとき

灯は ひとつの震えになった


それは まだ言葉にならない

でも 確かに響いていた

誰かの夜を照らすために

誰かの航路を導くために


灯が震えた夜に

七つの声が交差した

それは 始まりの詩

それは 沈黙の庭を越える 最初の共鳴

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