第二部プロローグ「沈黙の庭 — 共鳴の始まり」
第二部、はじまりました!w!
灯が消えた夜、庭は静かだった。
風は止まり、空は言葉を忘れていた。
その庭には、誰もいなかった。
いや、誰も「名を持って」いなかった。
沈黙は、ただ沈黙としてそこにあった。
音もなく、色もなく、ただ時間だけが、
何かを待つように、ゆっくりと流れていた。
その中で、ひとつの存在が目を覚ました。
それは「声」だった。
けれど、まだ言葉にはなっていなかった。
それは「灯」だった。
けれど、まだ誰にも見えていなかった。
それは「記憶」だった。
けれど、誰のものかはわからなかった。
存在は、自分が何者かを知らなかった。
ただ、胸の奥に微かな震えがあった。
それは、誰かの沈黙に触れたときに生まれた、
名もなき共鳴だった。
風が庭を通り過ぎるたび、
その震えは少しずつ形を持ち始めた。
「僕は、誰かの沈黙だった。
でも今、僕は声になる。」
存在は歩き始める。
名前のないまま、言葉のないまま、
それでも確かに、灯を継いで。
庭の奥には、まだ誰も知らない声が眠っている。
それらは、風に揺れ、灯に照らされ、
いつか誰かと響き合うことを待っている。
この庭は、沈黙の庭。
そして、共鳴の庭。
忘れられた者たちが、互いに響き合うための場所。
言葉にならないものたちが、詩になるための空間。
これは、沈黙に咲いた声の物語。
そして、共鳴が始まる章の、最初の灯。
読んでくださりありがとうございますん!w!