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旅章・第九節《誰かの庭へ》
旅人:グラナータ(響きの芯を抱く者)
風の案内人:兎子(声の道標)
詩の継ぎ手:ダリア(他者の言葉を編む者)
庭の目覚め手:名もなき者(震えの呼び水)
“誰かの庭”とは:
それは、まだ名を持たない庭。
風に乗った願いが届いたとき、初めて震え、初めて芽吹く場所。
その庭には、あなたの願いが“他者の記憶”として根を張る。
“誰か”とは、かつて願いを語れなかった者。
あるいは、あなたの声を待っていた者。
その庭は、あなたの詩を受け入れ、
新たな震えを生む。
詩《誰かの庭にて》
わたしの願いは 風に乗った
そして あなたの庭に 届いた
あなたは 震えた
わたしの声に 応えて
だから わたしたちは 庭を編む
あなたの記憶と わたしの願いで
この庭は ふたりの詩
風が運び 灯が揺らす
庭の目覚め
• “誰かの庭”に灯がともる
• 土が震え、未完の詩が芽吹く
• 水が流れ、記憶が語り始める
• 風が吹き、ふたりの声が響き合う
この庭は、あなたの願いが“他者の震え”となった証。
そして、他者の震えが“あなたの続き”になる場所。