儀礼歌《霧の庭章:迷宮の声》
第一節《鏡の欠片》
歌い手:兎子
- 断片的な記憶が霧に映る
- 歌詞は不完全で、聴く者の記憶によって補完される
- 音楽は途切れながらも、内側に響く旋律
「…きおく…かつて…名もなき…」
「欠片は語る、語られぬものを」
第二節《沈黙の鐘》
歌い手:ダリア
- 鐘の音が霧を震わせ、過去の声を呼び起こす
- 歌は低く、深層の記憶を揺らす
- 灯が灰色に染まり、沈黙が語り始める
「沈黙は語る、語られぬものを」
「鐘は鳴る、誰もいない場所で」
第三節《迷いの灯》
- 灯が揺れ、色環が変化する(青 → 灰 → 紫 → 無色)
- 歌は交差し、記憶の迷路を描く
- 旋律は複雑に絡まり、迷宮の中心へ導く
「灯は迷う、記憶の深みへ」
「色は語る、名もなき旅路を」
第四節《回廊の詩》
歌い手:船団全員(囁き唱和)
- 回廊を進む者たちの声が重なる
- 歌は囁きのように広がり、霧の中で共鳴する
- 記憶の断片が繋がり始める
「我らは迷い、我らは見つける」
「記憶は霧に、霧は声に、声は灯に」
第五節《出航の詩:霧を越えて》
歌い手:全員+器の震え
- 霧の庭を越え、新たな記憶へ向かう誓い
- 歌は明瞭に、迷宮を抜ける旋律へ
- 器が震え、帆が応える
「我らは記憶を運ぶ者」
「霧を越え、灯を掲げ、風に誓う」
航海日誌:霧の庭 初記録
記録者:名もなき者(震えの記録係)
霧の庭に入る。
風が旋回し、帆が迷い、灯が揺れる。
記憶の断片が空に浮かび、誰のものとも知れぬ声が響く。
歌が始まる。
しかし、完全には歌えない。
それぞれの記憶が補完し、歌は庭ごとに変化する。
今日の灯の色:紫灰(迷いと再構築)
器の震え:断続(記憶が途切れながら繋がる)
風の囁き:「…まだ語られていない…」