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灯の種子

― 風の民の語り ―


風は いつも 語らない

だから わたしたちも 語らない


風は ただ 通り過ぎる

だから わたしたちも ただ 聴いている


でも その日

風は 何かを運んできた


それは 灯だった

それは 種子だった

それは 語られなかった 歌だった


わたしは それに 触れた

掌に 響きが宿った

それは 記憶のようで

それは 問いのようだった


風は それを 咲かせようとしていた

わたしの中で

わたしたちの地で


わたしは 風の民

言葉を持たない者

でも この種子は わたしに 声をくれた


それは まだ 歌ではない

でも それは 始まりだった


わたしは 風に 問いかけた

「これは 誰の灯か」

風は 答えなかった

でも 種子が 揺れた


それは わたしの声だった

それは わたしたちの 新しい風だった

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