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高倉くんのカワイイを応援したい!  作者: 志熊みゅう
第四章 夏休みは忙しい

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7. 写真部の楠くん

 夏祭りを前に、わくわくする気持ちが高まっていく一方で、少しずつ夏休みも終わりに向かっている。今日は珍しく部活で学校に来ている。我々写真部は運動部と違うから、夏休みの間、ほとんど活動しない。でも夏休み明けすぐの文化祭に向けて、多少は準備しないといけない。だから久しぶりに部室に集まった。なお、賞レースガチ勢の渡邊先輩は文化祭を最後に部活を引退する予定だ。


「部屋は家庭科の実習室を使わせてもらうことになった。各々パネルに自分の作品を飾っていく形でいいか?」


「はい」


 その時、次期部長と目されている(くすのき)くんが遅れて部室に入ってきた。クラスの出し物の練習があるから、少し遅れるって言ってたっけ。


「楠、遅い。それで、頼んでいたブース当番の割り振りはどうなっている?」


「これでいいですかね?」


 そういって、楠くんは一冊のノートを取り出して、見せた。


 楠くんは、私たちと同じ二年生。クラスはとなりのA組だ。鉄道オタクでいわゆる撮り鉄。よく珍しい電車の写真を撮りに遠征している。でも意外や意外。人物写真を撮るのは彼が一番うまい。本物のプロのカメラマンみたいに、モデルにうまく声をかけながら、緊張をほぐしていく。


「楠くんは、やっぱり今年も鉄道の写真を飾るの?」


「うん!この前、珍しい寝台特急が撮れたからね。あと人物写真も。村岡(むらおか)さんにも許可をとらないと。」


 村岡さん――あ、紬のことか。いつも下の名前で呼んでるから、名字で言われると一瞬分からなくなる。


「私は食べ物をテーマにしようかな?この前、北海道に行った時、パパとたくさんおいしいお店に行ったんだ。」


「いいね、いいね。自由展示だけど、テーマはできる限り、ばらついた方がいいから。」


 そういって、楠くんがノートにメモを取った。高倉くんが横で頭をひねっている。


「ほな、うちは原宿テーマにしよっかな。この前撮ったやつ以外にも、お気に入りあるしな~。」


「分かった。そういえば渡邊先輩は、コンクールで佳作を撮った写真を中心に飾るらしいよ。」


 楠くんがさっとノートに書き込みながら言う。ああ、あの写真か。蝶がさなぎから羽化する瞬間をとらえたやつ。一枚を撮るのに5時間もかかったって聞いた。その話を聞いて、さすが、賞レースガチ勢って震えたっけ。


 写真って、同じものを撮っても、撮る人によってまったく違う表情になる。それを見比べるのも、すごくおもしろい。テーマが自由っていうのも、なんだかうちの部活らしくて、ちょっと好きだ。


 各自が好きなものを思い思いに写した写真展――みんなちがって、みんなよくて、なんだかとっても楽しみだ。

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