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高倉くんのカワイイを応援したい!  作者: 志熊みゅう
第三章 高倉くんの『好き』

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4. 高倉くんのお姉さん

 ――ブルルルル


 家で林間学校の持ち物のチェックをしていると、SNSの通知が来た。フォロワーさんからのダイレクトメッセージだ。珍しいな。早速中身を確認した。


『こんにちは、突然ごめんなさい。私、高倉律の姉の(あん)です。

 SNSで律にコメントをしているのをみて、話に聞いてたあかねさんかなと思ってフォローさせて頂きました。

 いつも弟と仲良くしていただいてありがとうございます。

 実はあの子、最近ちょっと元気なくて。

 前あかねさんのことをすごくうれしそうに話していたので、なんか知っているかなと思って連絡してみました。

 もしよかったら、お茶でもしながら、ちょっとだけ学校での様子を教えてもらえませんか?

 もちろん、無理にとは言いません。』


 ――高倉くんのお姉さん?


 お姉さんのアカウントを見ると、フォロワー数は高倉くんに及ばないものの、おしゃれなプチプラコーデが並んで、さながらファッション雑誌みたいだ。


 顔、似てる。高倉くんをもうちょっと大人にしたような美人さんだ。そういえば、前に大阪の大学に通ってるって言ってたっけ。どうしよう……。でも、きっと悪い人じゃないと思う。返事してみよう。


『分かりました。ママが心配するといけないので、日中にどっかお店で会う形でもいいですか?』


 すぐ返事が来て、明後日14時から近所のファミレスで会うことになった。この前原宿で買ったポルカドットの水色のワンピースを着て、鞄にはパンケーキを食べているココを付けて準備万端だ。女の子の格好をした高倉くんもだけど、かわいい人やきれいな人に会うのは少しドキドキしてしまう。


 ファミレスの前で待っていると、黒髪ロングのスタイルの良い女性が現れた。SNSでみたから間違いない!高倉くんのお姉さんだ。


 お姉さんの杏さんは、黒を中心にまとめた大人っぽい服を着ていた。上に羽織っていたのは、ちょっと大きめサイズの黒いジャケット。肩が少し下がったデザインで、男の人っぽいかっこよさもある。でも、その下に着ていた黒い花柄の長いワンピースが、全体の雰囲気をやわらかく見せていた。


「高倉くんのお姉さんですか?私、高倉くんの同級生の染谷あかねです。」


「あかねちゃん、今日は無理に誘ってもうてごめんな。中、入ろか。」


 あ、高倉くんと一緒で関西弁だ。妙なところに感心してしまった。


 お姉さんに促されて、ドリンクバーとチョコレートパフェを注文した。ジュースを各自取ってきたあと、お姉さんがおもむろに口を開いた。


「律な、小学校の頃、最後の一年くらい、学校行ってへんかってん。」


「えっ!高倉くんが不登校!?」


「うちの母親もな、ちょっと変わってて。律がちっちゃい頃は、髪の毛伸ばして、うちのお下がりとか女の子の服ばっか着せてたんよ。」


 そういえばそんな話、高倉くんから聞いたな。


「律も何も分かってへんかったから、かわいい~!って喜んで着てたんやけど、幼稚園の制服ってズボンやん?で、小学校上がったらさすがに、女の子の服はアカンってなって、男の子の服着せるようになってん。」


「なるほど」


「せやけどな、小学校入っても戦隊モノとかロボットとか、いわゆる"男の子っぽい"のは全然興味なくて。カワイイもんが大好きで、『マジカル☆プリンセスナイツ』とか毎回録画して観てたわ。」


 マジカル☆プリンセスナイツ――略称マジプリ!私も小学生の頃よく見ていた。とにかく主人公のプリンセス・ルミナがカワイイんだよね。


「うちが高校入って、好きな格好で学校行くようになったん見てたからやと思うんやけど、律がある日ぽろっと言うてん。『自分も女の子の格好で学校行きたい』って。」


「女の子の格好で学校!?」


 思わずびっくりしちゃった。でも、それって高倉くんが、自分らしくいたかっただけなんだよね。


「そしたらな、大阪の子って、えらいはっきりも物言う子多いやん?結構バカにされたみたいで。『そんならもう学校行かへん』ってなってな、それっきり行かんようになってしもたんよ。」


 ちょっと高倉くんらしい不登校の理由だなと思ってしまった。


「でも、今は男の子の制服で学校は来てますけど……。」


「ウチがな、SNSで発信してみたらって勧めたんよ。学校みたいな狭いコミュニティに縛られて、自分見失ったらあかんやん、て。」


「それで高倉くん、SNSを始めたんですね!」


「そしたら、結構反響あってな。自分の思う"カワイイ"が世間に認められたって、めっちゃ喜んどったんよ。中学上がってからは、無理して学校に"女の子の格好"で行きたいとは言わんようになってな。自己表現する場と、普段の生活の場をうまいこと分けるようになったんやと思う。他の子とも仲ようしとって、サッカーとかも楽しそうにやってたわ。」


 サッカーか、そういえばサッカー部やめちゃったんだよなあ。


「律な、サッカー結構上手いねん。小学生の頃、プロチームのジュニアチームに入ってたこともあるんよ。」


 ジュニアチーム!?通りでみんなすごいって言ってたわけだ。やっぱりサッカー部やめちゃったの、もったいない気がする。


「東京来てからサッカー部は辞めた言うし、最近はSNSの投稿もしてへんし、夏休みにこっち来ても部屋から全然出てこんねん。」


 どうしたんだろう?思ったより重症だな。


「あかねちゃんやったら、なんか知ってるかな思て、今日は来てもろたんよ。」

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