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第5話『パンツ祭り、勃発!? “ヒロイン3人と秘密の放課後”』

「え? ちょっと待って、なんで揃いも揃って俺の家に来てるの!?」


 俺の部屋に入ってきた三人の少女たちを前に、声が裏返った。


 左から順に、


 清楚代表、しまパンの女神・七瀬ことり

 スポーツ系勝負パンツ戦士・天野みずき

 爆音と共に現れる“パンツ落とし”のカリスマ・鬼咲レナ


 三人とも手に紙袋やコンビニ袋を持ち、わちゃわちゃしている。

 パンツ戦争の首謀者三人が、今、同じ部屋に……!!


「えっと……わたしは、前に洗ってくれたお礼……」

ことりが、レースの縁がついた柔らかそうな袋を差し出してきた。


「俺、女子の下着にお礼とか初めて言われたかもしれない……」


「こっちは、“次のやつ”洗ってもらおうかと思って! はい、白と水色の星柄! ちょっとくたびれてるけど、まだ現役!」


「オープンにすんな! ていうかヒロインがそんな情報開示すな!」


 そして――


「おう。調査だ」


「調査!?」


「お前んちにパンツが吸い寄せられてるって噂、マジか確認しにきた」


「そんな都市伝説みたいな扱いされてたの俺!?」


 三人に囲まれた俺の部屋。

 ラノベとかゲームとかフィギュアとか、極めてオタク的に整頓された俺の聖域に、

 美少女のにおいが溶け込んでいくのを感じる。


(これはアレだ……ハーレムだ)


 だが、事態はそこで終わらなかった。


「……ちょっと、これ……何?」


 ことりの声。


 彼女が指さしていたのは――


 ベッド脇に落ちていた、黒レースのパンツ。


 ……完全に見覚えがない。


「いや、ちょっと待って!? 知らないぞこれ!? 俺じゃないからな!!」


「またか……またパンツが落ちてるのか、この男んちは……」


「こ、これは……かなり攻めてるやつじゃねぇか……ッ!」


「ちょ、ほんとに知らないんだってばあああああ!!!」


 その場はまさにパンツ裁判。


 誰が落としたのか、どこで混入したのか、

 三人の視線が飛び交い、推理と誤解と羞恥が乱舞するカオス空間。


 ことり「わたし、こんなの持ってないもん……!」


 みずき「さすがにこれは着ないなぁ~。勝負パンツ超えてるよコレ」


 レナ「……ま、前にあたしの原付の荷台に飛ばされたやつ……かも?」


「マジかよ!!!」


 そして、最終的に出た結論は。


「もうさ、こういうのは全部一か所にまとめよ?」


「うん、じゃないと管理しきれないし」


「パンツ保管ボックスってことで」


「ボックスってことで!?」


 俺の部屋のクローゼットに、段ボール一箱が置かれた。


 側面には、ことりの丁寧な字でこう書かれていた。


『洗濯・保管用:パンツ管理箱(白井専用)』


 どこからどう見ても、完全にアウトな気しかしない。


 その日の夜、

 三人はパンツ話で盛り上がったのち、夕飯も食べてから帰っていった。


 パンツで繋がる女子たち。

 パンツに巻き込まれる俺。


(……青春って、こんな感じだったっけ?)


 クローゼットからは、ほんのり香る柔軟剤の匂い。

 さくらとシャボン。星柄とレース。白と蛍光緑。


 パンツは語る――彼女たちの“想い”を。

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