はじめての魔法
「じゃあ早速、やっていくよ」
「よろしくお願いします」
俺はあのときの不安を抱えたまま、教えてもらうことにした。
炎適正の人間ではじゃないのに炎なんて使えるわけない・・・
教えてもらうことに対して申し訳なかった。
「まず魔法を使うにはね、」
「待って、シャール」
「どうしたの??」
「シャールって炎適正じゃないのにどうやって教えてくれるの?」
「なんだ、そういうことね」
「魔法を発動させたりするのはどの属性もやり方は変わらないのよ」
「なるほど」
「だから大丈夫、それじゃ行くよ」
魔法を使うにはね、自分の適正の属性を頭の中で想像するの、
簡単に言うと、炎だったら燃えてるのを想像したりとか、
人によってそれは違うから、自分が思う炎でいいよ。
「自分が思う炎・・・」
(炎・・・炎・・・
地獄のような炎で絶対に消えることのない、あたりを焼け尽くす炎・・・)
「なんとなくできました」
「おっけー、それじゃ手を出して、出した方に魔力を込めて」
「こうですか?」
「いいね、じゃあ私が持っている紙の通りに言って、」
我が誓うは灼熱の炎、あたり一面を焼け尽さん・・・
【炎術ファイアストーム】
魔力を込めていた、手から特大の火の玉が勢いよく壁に向かって、解き放たれた。
「え???嘘でしょ・・・」
「シャール、どうしよ壁が・・・」
火の玉が当たった壁全体は跡形もなく崩れた。
(いやいや、どんな威力してんのよ、
あの魔法ただの初級魔法よ・・・
魔法適性がFと判断されたんじゃ・・・)
「あーもうどうしよ壁が・・・
シャールほんとごめん!!これは一生をかけて治すよ!」
「別にいいわよ、もともと、壊れそうだったんだから」
シャールはカイに対して笑みを浮かべるがその奥には、疑問があった・・・
(これはなにか裏があるはず、
こんな威力、Aランクの奴らでも無理なのに・・・
あそこは・・・なにかおかしくなった?)
「シャール、なんで俺、Fなのにこんな威力でるの?」
「なんだよそれ、私に喧嘩売ってるの?」
「いやいや、そんなことでは・・・」
「ほんとどうしてなんだろね、実は才能あったんじゃない?」
「まさか、そんなわけ・・・」
「まあでも、私のほうが上だから」
「くそ、絶対に追いついてやるからな!」
「うん、待ってるよ」
そういってシャールは学院に帰っていった。
(俺、やっぱ炎適正なんじゃん。
あんなこと言われたけどやっぱ炎使えるじゃん。)
シャールとカイのマンツーマン授業は続いた。
そのおかげで俺は、どうにか初級魔法までは取得することができた。
そして、一週間が経過した。
「今日は、授業はなし!」
突然の発言にカイは驚いた。
「え、どうして?」
「たまには休憩も入れないとだめだぞ、そんな授業ばっかしてたら私も疲れる」
「でも休みって言われてもやることないしなー」
「それじゃ、お出かけしよっか?」
「おでかけ??」
急遽、出かけることになり、急いで支度をした。
「ここからどこ行くんですか??」
「そんな遠くないわよ、ここから一番近いヘルディアって街よ」
「そんなとこ何をしに・・・」
「まあいいじゃん、人と関わることは大事よ」
そして、ヘルディアにたどり着いた。
(あれ以来だな、街に来るのは・・・
こんな人混みの多いところなんてまた行くと思わなかった)
「やっぱ、街はにぎやかだね」
「そうですね」
「お、あそこに屋台あるじゃん、買ってくるからちょっと待っててね」
「はい・・・」
シャールは屋台に向かって猛ダッシュで走っていった。
(やっぱこういうにぎやかなとこは好かないな・・・)
言われた通りにシャールのことを待っていると、
「お前みたいなやつがなんでこんなとこにいるんだよ、Fランクがよ」
「誰だ?」
鋭い目つきをした男たちが
不敵な笑みを浮かべながらこっちに近づいてくる。
「はあ?何偉そうに口聞いてんだよFランクが
はやく死ねよ、きもちわりーな」
「なんで初対面のお前にきもいなんか言われなきゃいけないんだ?」
「Fランクで人権ないやつが口ごたえしてくんじゃねーよ」
(またか、Fだからこんなこと言われなくちゃいけないのか
俺がお前に何したっていうんだ、)
「一人で死ぬのが怖いなら、殺してやろうか??」
「そんなことしたら、お前がFランクになるよ?」
男たちは、俺を馬鹿にし、笑っていた。
(何を言われても、言い返せない、
くそっ!何もできないのかよ?!
ん?待てよ、一つだけあるじゃん、言い返すことができるかもしれないやり方が)
「いつまでそこにいるんだよ、はやく豚小屋でも行ってろよ」
「決闘しろよ・・・」
「はぁ?なんだって?」
「決闘しろって言ってんだよ!」
「まじかよこいつ」
カイの言ったことに対して、腹を抱えて笑っていた。
「こいつ馬鹿だろ、お腹痛いって、
俺のランクBだぞ、Fなくせに何いってんだ」
「なんだ所詮Bか・・・」
「あぁ?なんだと?」
「Bで威張ってんじゃねーよ、お前はゴミか?
いや聞かなくてもゴミだったな」
「お前、調子のってんじゃねーぞ、いいだろ受けてやるよ決闘
お前が負けたら、一生俺の奴隷な?」
(奴隷・・・負けたら俺は死同然ってことか)
「どうした?おしっこでも漏らしちゃったか?」
「いいだろ、その条件でやろうじゃないか・・・
じゃあこっちの条件は、お前らの家族の全財産をもらおう」
「はぁ?お前何言って・・・」
「もしかして俺に負けるのが怖いのか?」
男は苦しい顔をしていた。
「のわけねえだろ、俺が負けるわけないだろ!」
「じゃあ決定な?」
「いいだろう、
精々、残りの人生楽しめよ・・・
お前これから奴隷になるんだからさ」
そう言って男たちは、目の前から去っていった。
決闘・・・
俺がここで負けたら奴隷・・・
やってやる、あいつ、絶対ぶっ殺してやる・・・
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