まさかの学院入学
「え、ほんとにいってます?」
「ほんとに決まってるじゃん、嘘でこんな事言わないよ」
と笑いながら話すシャール。
「俺、言いましたよね?
魔法適正がFなんですよ?」
「大丈夫、大丈夫、私に任せときな!」
「ほんとに大丈夫かな」
そもそも、魔法適正がEでも入れる学院はほぼほぼないと言われている。
入れるところがあったとしても弱小の学院である。
「まあ、たしかに魔法適正がFで入れる学院なんてないだろうね。
そもそも、魔法適正がFの人なんていないからさ」
「やっぱ、ないんじゃないですか、馬鹿にするのもほどほどにしてください」
「でも心配はいらないよ」
「入るとこがないなら、もう無理ですって」
「これから入学してもらう学院、私が学院長を勤めてる学院だからさ」
「え?」
「私、学院長だよ?」
「はあぁーーーー!!!」
まさかのことだった。
手伝ってくれる人が学院長とは思いもしなかった。
そもそも、なんで学院長がこんなところにいるんだ。
「まあ、入学決定ってことで」
「もう決まったんですか!?」
「落ち着けって、家、衣類とか生活に必要なものはすべて用意してあげるからさ」
「もうわかりましたよ・・・」
「よし!じゃあ君が私の学院の生徒第一号だ!」
「ん???他の生徒さんは?」
「いないよ?」
「嘘だろ・・・」
もう訳の分からないことが多すぎる。
生徒一人しかいない学院だと・・・
そんなの学院なのか?
不安でいっぱいだった。
「ところでカイ、この世界の学院ルールを知っているか?」
「え?この世界の学院のルールですか?
えっと・・・」
「やっぱ、知らなかったか」
「すいません知らなくて・・・」
「しょうがない、よく聞いとけよ」
そもそも、学院にはクラスというものが存在する。
ノーマル、シルバー、ゴールドそしてマスターだ。
ノーマルは魔法適正がE
シルバーは魔法適正がD、C
ゴールドは魔法適正がB
マスターはもちろんAだ。もしくはA以上なやつもいると聞いたことがある。
ちなみに、私の学院はノーマルだ。
「まあ、そうでしょうね・・・」
「でも学院のランクだって上げることができるんだよ」
「そうなんですか!?」
学院のランクの上げ方は主に2つある。
一つは毎年行われる学院対抗の大会だ。
そこでいい成績をおさめれば、ランクが上がる。
もう一つは決闘だ。
「は?決闘だと?」
「うん、決闘」
決闘とはいってもお互いにルールを決め合意の上で行われる。
そこで負けた方は勝った方の言う事を聞かなければならない。
たとえばノーマルクラスの私たちがシルバークラスの決闘に勝ったとしよう。
そしたら私たちはシルバーになり、負けた方はノーマルになる。
簡単だろ?
「格上に勝つなんてずいぶん簡単に言いますね」
「でも君は、復讐したいんだろ?」
「そうですけど・・・」
「弱気になってどうする、私が教えるんだ。任せときな」
「わかりましたよ」
でもね、負けたときもそれなりにリスクを背負わなきゃいけないよ。
学院のランクってものは重要なことだ。
負けたら死を覚悟しろよ。
「死ですか・・・」
「まあ、復讐を誓ったなら、それぐらいの覚悟はあるだろ?」
「当たり前じゃないですか、俺はあいつらをぶっ潰す気でいますから」
「さすが、私の学院の生徒だ」
俺はあいつらに深く屈辱を刻まれた。
絶対に許さない、這い上がって、地面に頭をつけてやる。
「まあ、とりあえずそんな感じだ。
詳しくはまたその都度話すよ」
「ありがとうございます」
「てことで私はこの学院をマスターまで上げたいいんだ。
明日から教えてやる。だから今日はもうしっかり寝とけよ」
「はい!よろしくお願いします!」
「うん、じゃあおやすみ~」
家の明かりを灯していたロウソクが消えた。
明日にはもう俺はシャールに魔法を教わっている。
俺は這い上がって、魔法適正で人を判断されるこんな世界をぶっ壊す。
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