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第十四章:インター・ミッション/01

 第十四章:インター・ミッション



 セーフハウスを脱出し、熾烈なカーチェイスを経てどうにかこうにかレイラの自宅まで辿り着いた四人は、疲れた身体を癒すためにもひとまず休息を取っていた。

 そうして一夜を明かせば、四人は家のリビングルームへと集まる。そこで彼女たちが話し合うのは……当然、今後のプランについてだ。

「――――善は急げという言葉もあるわ。明日にでもリシアンサス・インターナショナルの本社に殴り込みましょう」

 憐と横並びになる形でソファに腰掛けたレイラが、真っ先にそう結論を出す。

 その後で、対面のソファ――レナードが座るそこの背もたれに寄りかかる形で立つ鏑木が、続けて「警察への根回しはおじさんに任せな」とニヤリとして言う。

「それと、作戦車の調達に関しても昨日言った通り、俺の方からミリィ・レイスに話を付けといてやる。レナード、お前さんは確か……」

「レイラさんの補助戦力ですね」とレナードが笑顔で頷く。「僕もレイラさんと一緒にビルに突入する役割です」

「よろしく頼むわ、貴方が居れば心強い。……それで、憐は」

「僕は後方から皆さんを支援します。鏑木さんが車を用意してくれるみたいですし、そこから遠隔で……電波妨害とか、監視カメラ対策とか。そういった電子戦方面で皆さんをお手伝いします」

 自信ありげな顔でレイラの顔を見上げながら言う憐に、レイラもフッと微笑み返し。「頼りにしているわ」と言いながら、彼の頭をそっと撫でてやる。

 すると憐も笑顔を浮かべ――やはり少しだけ照れくさそうに頬を朱に染めながら、「はいっ!」と彼女に頷き返した。

 ――――今回の作戦の内容を総合して纏めると、ざっくりこんな感じだ。

 まず明日、善は急げということで早速リシアンサス・インターナショナルの本社ビルに殴り込む。

 その際に実際殴り込むのはレイラと、彼女の補助としてレナードの二人。鏑木は警察への根回しや、ミリィ・レイスに作戦車を貸してくれるように手配するなどの役回りで……当日どうするかは明言していないものの、恐らく銃撃戦の矢面に立つことは無いだろう。

 加えて、憐が鏑木の用意した作戦車を使い、後方から電子戦でレイラたちを支援する。

 ――――それが、ざっくりとした作戦の概要だった。

「さてと……話も纏まったところで、買い物にでも行きましょうか」

 そうした作戦会議が終わると、レイラはそう言いながらソファから立ち上がり。すると憐の方に振り向きながら「貴方も付いてきて、憐」と一緒に来るよう彼を誘う。

「買い物……というと、またあそこに?」

「そういうことよ。嫌なら来なくても大丈夫だけれど、どうするの?」

「いえ、折角ですし僕も行きます」

「じゃあ、行きましょうか」

 とりあえず、憐もその買い物とやらに同行することになった。

 二人でそんな風に言葉を交わし合った後、レイラは憐を連れて自宅を出ていってしまう。

「えっと……憐くんまで連れて行く必要があるんでしょうか……?」

 出ていく彼女たちの背中を見送りながら、レナードは不思議そうに首を傾げる。

 すると鏑木は、ニヤニヤとしながら彼にこう言っていた。

「そういうことだよ、察してやれ」

「……? ああ、そういうことですか」

「そういうこったよ。レイラも坊主も、何つーか顔に出やすいからなあ。分かりやすいっつーか、意外と似た者同士なのかもな」

「あははは、かも知れませんね」

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