ギルド ジューラ
隠し通路の構造は下に下がって上に上がるという簡単な構造だ。
しかし隠し通路につながるドアはある順番に壁のレンガを押さないといけなく、仮に一度でも押し間違えるとギルド内に連絡され、常駐の警備員と緊急時の警備員が向かうらしい。
「もうすぐ地上に出るぞ」
意外と隠し通路が長かった。
20分ぐらい歩いたんじゃないか。
「何でこんなに長いんですか」
「お前はまだ長の許可をもらってないからな。
許可があればショートカット出来るがな」
なるほど今まで通ってきた道はお客様用か。
月の光が見えた。
この階段を登れば地上だ。
「先に言っておくが長に失礼の無いように頼む」
「分かっている」
地上に出た。
目の前に広がっていたのは町だった。
街灯代わりに松明を焚いていて、人もまあまあ歩いていており、活気がある。
「何ボーッとしてんだ。さっさといくぞ」
つい立ち止まってしまった。
病院生活が長かったせいで活気のある町を見るのも久しぶりだったので気になってしまった。
男に着いていくと一つだけ大きな家、いや屋敷があった。
「ここが長の屋敷だ」
男は屋敷のドアをノックすると中から執事っぽい人が出てきた。
「これはグローン様、どうかいたしましたか」
「フィルロン様はいらっしゃるか」
「はい、おりますがそちらの方は」
「ギルドの周りをうろうろしてたのでなどっかのギルドの刺客かと思ったがギルドは何処にも属してないし、ステータスプレートすらも持ってなかったから連れてきた。多分、放浪者だろう」
「分かりました。ではお入りください」
男の人はグローンと言うのか。
グローンは執事の人に付いていき、俺はグローンの後ろを付いていった。
『応接室』と書かれた部屋のドアの前に来た。
そして執事の人がノックをして
「ご主人様、グローン様と放浪者と思われる者が参りました」
「入れ」
部屋の中から長と思われる声がした。
執事の人がドアを開けグローンと俺は部屋の中に入った。
男=グローン
長=フィルロン