旅立ち
「人間よ。このような話を聞かせてすまない。
だが一つだけ覚えておいてほしい。一度過ちを犯せばその過ちをがなくなることはない。しかし、過ちから学ぶことがある。過ちは悪いものだけではない。ただ私の過ちが大きすぎただけだ…」
「ジュウラ様、この者に頼むのはどうでしょうか」
「悪くない考えだ……人間よ頼みがある。
私を壊してほしい」
俺は驚いた。自らを壊すそうジュウラが行ったからだ。
「私がここにはえ続けてもこの地を悪くするだけだ。私がなくなれば新しい管理者を生み出すことが出来る。新しい管理者が生み出されればこの地は豊かになる。これが私が出来る精一杯の償いだ…」
ジュウラは清々しく言った。
「でも俺にはジュウラを壊す力はない。だから俺には出来ない」
そう俺は一般人。
この地を襲った人間と同じ『人間』だ。
「人間よ。お前には昔の私と同じ神の加護が付いておる。その力は普通の人間ではあり得ない力だ。その力があれば神の加護が無い私など容易く壊せる。さあ人間よ思う存分やってくれ」
俺に力がある?
こんな貧弱な俺にか?
多分、昔神の加護を持っていたジュウラが言うのだから俺に力があるのだろう。
しかし、ジュウラを本当に壊していいのか。
「お願いします。ジュウラ様のためにも」
妖精もお願いしてきた。
「ジュウラ、後悔は無いのか」
俺はジュウラに問いた。
そしたらジュウラが
「後悔などあろうはずがない。さあドーンとやってくれ」
俺はその言葉に励まされるかのように拳を構えた。
そして、ジュウラに向けて全力でパンチをした。
ジュウラは真ん中に穴が空き、その穴の表面から崩れ落ちていった。
ジュウラは崩れていくなか言葉を残した。
「人間よ。その力を決して暴走させるなよ。
そして妖精よ。最後に名をやろう。リース・フラベスこれからそうなのるとよい」
俺とリース・フラベスと言う名をもらった妖精はジュウラが失くなる所を最後まで見た。
ジュウラの体から崩れ落ちた破片が輝きながら消えていった。
ものすごくキレイだった。
しかし、ものすごく心が痛かった。
ジュウラの消えたあとには果実が一つ転がっていた…