過去の過ち
今回はジュウラ(大きな木)の過去の話がメインです。
「私は昔この地を守る者として神から選ばれ、
この地を守るために力を与えられた。
そして選ばれてから千年間この地を豊かにし守り続けてきた。
しかし200年前人間と亜人と魔族の間で争いが 起きた。
その争いの時この地も巻き込まれた。この地は昔、亜人が多く住んでいた。
しかし争いが起こり、この地に亜人が多く住んでいると知った人間達がこの地を燃やし始めた。
最初の方は亜人達が火を消し止めていたが次第に手に終えなくなってきてしまい。
亜人達はこの地を去ることにした。
しかし亜人達がこの地を去ったことを知らない人間達がどんどんこの地を燃やし始めた。
私はこの地の管理者として怒りを覚えた。
そして私は神から与えられた力によってこの地に近づく人間達を殲滅していった。
しかし、一人だけ私の力が通用しない人間が現れた。
『このままではこの地が燃やされてしまう』と私は考えた。
そして私は自制心を捨て天変地異を犯しかねない禁術を使い強い人間を倒した。
しかし人間、亜人、魔族の争いが終わった時、私の目の前に神が現れ禁術を使った代償として私の力を奪った。
その上神はこの地を不毛の地にしようとした。
しかしここに住んでいたフェアリー族のお蔭で不毛の地にならずにすんだが、植物が生きていられような土地ではなくなってしまった。
私の罪によりこの地までもを巻き込んでしまったのだ」
俺は黙りこんだ。
この地の管理者(大きな木)はこの地を守るために禁術を使い守りきったが代償としてこの地が枯れることになってしまった。
もし俺がこの木だったとしたら何をしていたのだろう。何を出来たのだろう。
この木は自分で選んだ道を神によって否定されたのだ。
「まぁ自業自得だと私は思っている。
やってはいけないとされる禁術を使ったのだから。しかし禁術を使ったことを今では後悔をしている。この地までをも巻き込むとは思っていなかったからだ。あの時、禁術を使わなくても倒す方法があったかも知れない。しかし私は自制心を捨て禁術を使ってしまった。過ちをおかしたのだ」
俺は何も言えなかった。
励ましの言葉すら言えなかった。
俺はこの木の様に心の強い人間では無いのだとつくづく思った。