森に向かって
何をすればいいか分からない。
サバイバルの経験なんてないし、サバイバルに関する本もテレビも見たことがない。
唯一親の借金を返すために危険なアルバイトをした時に得た知識だけはある。
「森でも目指そうか」
森に行けば果実ぐらいはあるはずと考えたからだ。
人は一週間ぐらいなら食べ物を食べなくても生きていられるが水分は最低でも3日に1回は摂取しなくては死んでしまう。
そこで果実が元々持っている水分を絞り出すなり、かじるなりして摂取しようと考えたのだ。
「どっちに行けばいいのやら」
遠くを見てみるが森が見つからない。
少し考えたが考えても無駄だとわかったので適当に進むことにした。
それから約1時間ほど歩いただろう。
俺の目の前には森が広がっていた。
「やっと着いたぁ〜」
ものすごく疲れた。
約半年病のせいでまともに運動をしていなかった…
俺は病にかかった時とても後悔した。
病気が見つかった頃やっと親の借金を返済したばかりだった。
その頃から少しだけ息苦しさがあった。
借金の返済も終わったのでほったらかしにしていた健康診断に行った。
その時に肺に病気が見つかった。
「ガン」だった。
早期発見、早期治療が出来れば治る病気なのに俺のは健康診断をほったらかしにしていたせいで、ガンはもう治らない位大きくなっていたらしい。
まぁでも俺は納得した。
自業自得だと。
仕方がないのだと…
あの時のことを思い出してしまったせいで涙がこぼれてしまった。
しかし今俺は生きている。
生きていることを感じられている。
その事がどれ程素晴らしいことか。
俺はよくわかった気がする。
今回は何故死んだのかについて「俺」が思い出すシーンでした。
今回は少しつまらなかったと思いますがご了承ください。