2日目の朝
朝日が昇り始めたころに俺は起きた。
夢でも見ているのでは無いだろうかと思い頬をつねってみたが痛かっただけだった。
俺はベッドから出てキッチンに向かった。
「この家、無駄に広いんだよな」
と愚痴を吐いたりしながらキッチンにたどり着いた。
しかし、俺は思い出した。
食材などこの家には無いことを。
「はぁ、食材買いに行くか」
俺は渋々、家を出た。
俺は昨日のうちに少しだけ色々とグローンから町のことを聞いている。
例えば、この町には食材を売っているのは3件であり、その内1件だけは朝早くから店を開いていることなどだ。
俺はグローンに言われた通りの道をたどって店に向かった。
5分程歩くとたどり着いた。
中に入るとおじいさんが正座をしながら湯飲みをすすっていた。
「あぁ、いらっしゃい。見かけない顔だね〜」
「昨日からここに住み始めました 杉田 と申します。これからよろしくお願いいたします」
「これはこれはご丁寧に、私は グライ と申します。こちらこそよろしくお願いいたします。今日は何の食材をお求めですかな」
「朝食を作るのに何か良いものはありますか」
「そうですね…。この時期ならミュラのスープなどどうでしょうか」
ミュラって何だろう?
「ではミュラのスープを作るのに必要な食材を貰えますか」
「分かりました。少しお待ち下さい」
よいしょと言っておじいさんは立ち上がり店の奥に入って行った。
少し待っていると、奥から木箱に食材を入れて持ってきた。
「スギタさん、ミュラのスープの作り方分からないだろ。この中にレシピが入ってるからそれを見ながら作りなさい」
「ありがとうございます」
「えっとお代は…。400ペルだね」
俺は昨日、グローンからもらったお金を渡した。
「丁度ね。気をつけて帰りなよ」
「ありがとうございました」
俺はお礼をして家に戻った。
そのままキッチンに向かい、レシピを見ながらミュラのスープを作った。
初めてにしては出来がいい。
あと、グライさんが分かりやすくレシピを書いてくれたから作りやすかった。
「そろそろ向かうか」
俺は立ち上がり支度をしてお婆さんの店に向かった。
その時は気づかなかったが俺のステータスプレートにスキル『軽料理 生11』が追加されていた。