契約とマイホーム
数分後、お婆さんが俺のステータスプレートと二枚の紙を持ってきた。
「グリーン、契約書を持ってきたから必要事項を書いときなさい」
グリーンはお婆さんから契約書をもらい書き始めた。
その間俺はこの店の道具を漁ることにした。
その中に一つだけキレイな水晶玉を見つけた。
「これは何に使う魔道具なんですか」
「ああ、それは魔力変換に使うんだよ」
「魔力変換?」
「魔力変換を知らないのかい」
「恥ずかしながら…」
「魔力変換って言うのはな、自分自身に合わない属性の魔法を使うとき、威力が落ちない様に属性に合う魔力に一時的に変える方法のことを言う」
横からグローンが口を出してきた。
契約書が書けたらしくお婆さんに契約書を渡していた。
「スギタだっけ?契約書に血をつけてくれ」
「血をつける?」
「親指を少し切って契約書に押しつけるってことだ」
「痛くないですか」
「痛いが大丈夫だ。ほらこれ使え」
と言ってグローンが短剣を渡してくれた。
俺は思った『絶対痛いじゃん』と。
しかし、やらなければ契約成立にならないので我慢して切った。
俺は少し涙を出しながら二枚の契約書に血の出ている指を押しつけた。
「これで交渉成立な。これからよろしくなスギタ」
「こちらこそよろしくグローンさん」
「さんは着けなくていいぞ。何か困ったら何でも俺に聞け」
と言ってグローンは大声で笑った。
そして呆れた様にお婆さんが横で見ていた。
「グローン、プレート代と契約書代を払ってもらうよ」
「えっと〜、長に請求してくれ」
「まぁいいわ。なら前の道具修理代の1万ペルは今払いなさい」
「婆さん、頼むよ金今もってないんだよ」
「なら明日までに払いなさい、もし1日でも過ぎたら利子100%にするからね」
「わかった、わかった。明日返すから」
グローンはお婆さんから逃げるように店から出ていった。
「あとお前さん、ジジイから家を教える様にって連絡来たから今から向かうわよ」
と言ってお婆さんが歩き出した。
俺はお婆さんに着いていった。
10分ほど歩いたころに新しい家に着いた。
町の外れだが家が結構大きい。
二階建ての造りであり部屋がいくつもあった。
「もう遅いから今日は2階にあるベッドで寝なさい。あと、明日も私の店に来てくれ、色々と教えるから」
とだけ言ってお婆さんは帰って行った。
俺も少し疲れていたので寝ることにした。
こうして他の世界の1日目が終わった。