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津軽藩起始 浪岡編 (1577-1578)  作者: かんから
最終章 水木御所成立 天正六年(1578)秋
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いざ立たん 第四話



「その旗は無意味だと思わぬか。」




 石堂は吉町へ語りかけた。二人は共に御子の隣にて歩調を合わせながら進む。



「いやいや……これこそ浪岡北畠の御印(みしるし)ではありませぬか。」


「ほう……お前が言うか。」




 吉町は言葉に詰まった。顔こそ笑みを保つが、心は一瞬にして冷え切る。



「吉町殿……。すでにあなたは浪岡北畠ではないのだから、早めに捨てなさった方がよい。」




 ……石堂の言葉の真意は何か。吉町は困惑するばかり。石堂は……話を一方的に続けた。


「ところで……(まか)(なえ)という奴を知っておろうな。」


「いや……初めて聞きましてございます。」


「知らぬはずはないだろう。お前の仲間ではないか。」




 もちろん知ってはいるが……石堂の耳にも入っているのか。……答えづらいことを。石堂は構わず吉町を追い詰める。



「なんでも源常館(げんじょうかん)の使用人であったそうではないか。……このたび名前にちなんで、蒔苗村を戴いたとか。なぜであろうの。」





 ……こやつ、答えを絶対に知っている。……裏切り者へのあてつけ。吉町としては、知らぬ存ぜぬで突き通すしかない。


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