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津軽藩起始 浪岡編 (1577-1578)  作者: かんから
第八章 大釈迦館炎上 天正六年(1578)晩夏 旧暦七月五日
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あろうことか 第一話  +油川城絵図

 一通り葬儀を終えた頃、物見が慌てて川原(かわはら)の本陣へ駆け込んできた。




   “賊徒らは大釈迦館へ逃げ込んだ模様”



 ならば大釈迦(だいしゃか)へ兵を送らねばならぬと為信、前で座す家来衆の顔を一つ一つ覗く。旧浪岡北畠の者、石堂(いしどう)などでは話にならぬ。ここは……父親とは違うところを見てみたい。




森岡(もりおか)信元(のぶもと)、お前が大釈迦へ向かえ。」




 ……いやな役目だ。名分があるのはこちらだとしても、仕掛けたのもこちらだ。それだけでも根っからの津軽武士には耐えがたい。……かといって断る理由もなく、従うほかあるまい。




「わかりました。早速大釈迦へ向かいます。」



「うむ。板垣将兼(いたがきまさかね)も連れて行け。お前とあいつは仲がいいだろう。」



 仲がいいのは確かだが……元々は父親が結びつけたようなものだ。その父はすでになく、たんなる相談相手として今がある。まさか松源寺(しょうげんじ)の件が知られていまいか……。そこまでは考えすぎか。




 ここでまさかの石堂が話に入る。突如として前へ進み出て、頭を地べたへとつけながら。



「私めも同行したいと存じます。浪岡北畠の者が加わっておらぬと、……大変申し上げにくいことですが、信に欠ける。それに大釈迦の者らは賊が紛れ込んでいることにまだ気づいていないだけかもしれない。私が身をかけて説得いたします。なにとぞお願い申し上げます。」




 断る(いわ)れはないが。しかし……お前があがいたところで、何も変わらぬのだよ。攻め滅ぼすことはすでに決まっている。なんとも滑稽こっけいなことか。




油川城絵図

https://18782.mitemin.net/i290582/

挿絵(By みてみん)

2018/02/15  挿絵に関して


出典元:特集 津軽古城址

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/castle.html

鰺ヶ沢町教育委員会 教育課 中田様のご厚意こうい(あずか)りまして掲載が許されております。小説家になろうの運営様にも、本文以外でのURL明記の許可を得ております。


光信公の館

〒038-2725

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字種里町字大柳90

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/

TEL 0173-79-2535


鰺ヶ沢町教育委員会 教育課

〒038-2792

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字本町209-2

TEL 0173-72-2111(内線431・433)

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