表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
津軽藩起始 浪岡編 (1577-1578)  作者: かんから
第一章 松源寺の会見 天正五年(1577)初春
4/102

誘い 第三話

 庫裏の一室へ入ると、下座には(もり)(おか)(のぶ)(はる)ら三人がいた。(せん)(とう)(いん)が目に入るなり、身を彼女の方へ向け、こうべを垂れた。彼女はそのまま立ったままその様を見つめた。……いたって真顔である。子供らの前では慈しみの心を持って表情豊かに接するが、果たしてこの者らに同じく接する必要があろうか。



 そして彼女は上座に腰をおく。その座る音、陰の動く様。三人は静かに顔を上げた。……最初に信治が口を開く。


「お久しく、(いぬ)(ひめ)様。」


 真顔のまま、彼女は応じる。


「あら、随分と老けられたこと。」


「そうでしょうな。すでに六十を超え、病も患っております。こうして二人を従えますのも、道中で何が起きてもいいようにでございます。」


 信治は苦笑する。彼女はいまだ表情を変えない。


「それで、何のご用です。」


 彼女は問うた。信治は一つ咳ばらいをし、少しだけ体を茣蓙ごと前へ動かした。






「……為信ためのぶへの復讐。お考えはございませんか。」


 初めて彼女は表情を変えた。たいそう驚き、動揺を隠すために顔を横にそらした。心の鼓動は高まり、立ち去ろうにも身は動かない。

 信治はここぞとばかりにたたみかける。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ