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津軽藩起始 浪岡編 (1577-1578)  作者: かんから
第三章 兼平綱則、浪岡を退く 天正五年(1577)梅雨入
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向かう先 第四話

 水谷は辺りを見渡し、皆に言う。

「ならば、これまで通り安心して南部殿へ託すのが一番よいのではないか。」



 滝本はさらなる笑みで頷き返す。浪岡の家来衆はというと……いまだ”だんまり”だ。そこで水谷は家来衆の一人を名指す。




「石堂殿。あなたはどうお考えで。」


 突然あてられた石堂(いしどう)は困惑する。横の多田に目をやるものの、多田はすぐに言い出す気配はない。しかたなく口を開いた。



「……南部殿はこれまで浪岡に尽くされてきた。これからもきっとそうだろう。……しかし恐れながら、今の南部に浪岡を守りきれますか。」



 滝本はすかさず返す。


「ごもっともかと存ずる。確かに傍から見れば家督さえままならぬ。しかしご心配は無用。私がおりますゆえ。」




“かつて私は寡兵で大軍を打ち破った。正月の油断こそなければ、勝ち続けることができたのだ。”





「その兵術、抵抗の仕方。すべてを余すことなく浪岡の兵に教えましょう。」


 おおいに自信がある。それに浪岡の兵力はかつての大光寺よりも多い。為信も簡単には攻め込んで来れぬ状況もそろっている。




 ここで多田は耐えきれなくなって、話を遮りに入る。


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