少年の記憶
(あれ?僕はどうしたんだろう...)
頭がフラフラするし、体に力が入らない。一体どうしたんだろう。
ボヤける視界の中、周りを見渡してみると少年は瓦礫の中に倒れていたようだ。
何か大きな災害にでも巻き込まれたかのように、建物がバラバラに吹き飛んでいた。多くの人々は瓦礫に潰され辺り一面は血溜まりになっている。
(なんでこんなことになってるんだっけ...)
記憶がはっきりしない。何故こんな森林だらけの建物に来て、災害に巻き込まれたのか、どんな災害だったのか。
ただ一つだけ覚えていることがある。少年には大切な人が、守ってあげたい大切な幼なじみがいた。災害の直前までずっと一緒にいたはずだった。
少女はすぐ側にいた。瓦礫に巻き込まれてはいないが横たわっていた。
(あ...ヵ...)
名前を呼ぼうとするが声が出ない。先程から体を動かそうとしても動かない。だが、それもそのはずだ。
(ああ...うわあああ....)
少年の心臓近くにパイプが刺さっており、パイプを伝って大量の血が流れていた。パイプは地面に深く刺さっており、抜く事は難しいだろう。
体がどんどん寒くなってきた。血を失い、思考も定まらない。もうどうしようもなくなり、少年は天を見上げた。
そこで少年は見てしまった。
空に浮いている人間を。いや、正確には人間の形をした何者かを。普通の人間は浮くことはない。少年も薄れていく思考の中でそれは理解していた。
そして、その何者かは異形の姿をした、怪獣のようなものと争っていた。まるで特撮でも見ているかのようだった。
少年が無傷なら目を光らせながら見ていただろう。こんな現実離れした現状を。
だが、すでに少年の目に光は無く、少年は息を引き取っていた...




