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忘却されし古の魔王  作者: クロ
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1つ目の封印

黒い靄に包まれながら紅く発光しだしたロックベアー

(まずい!!進化が終わる!!異界の者よ早くこの場から去るのじゃ!)

「アルドさん!!この辺りに泉はありませんか??」

「あるにはあるが…どうするんだ?」

「急いでそこに案内してください!!」

「わ…わかった!こっちだ!」

アルドとレオニスが走り出すのをみたフォレストウルフは

(異界の者よ…我が子の事を頼んだぞ……これは餞別だ!)

フォレストウルフ稀少種の身体が発光すると、その光が一直線にレオニスに向かう

「こ…これは!」

レオニスの頭の中に機械的な声が響く…

[第1の封印が解除されました]

[封印解除によって、テイマーLv1を習得しました]

[テイマーLv1を習得した事により意志疎通を習得しました]

[封印解除によって、固有スキル:魔装を習得しました]

(そなたの魂にかけられた封印を1つ解除した…今の我に出来るのはここまでじゃ…愛しき我が子の事を頼む!)


泉の方に向かった人間たちを見送り、フォレストウルフは視線をロックベアーにもどす

(あの光は属性光…進化先は火属性じゃな…我とは相性が悪いのぅ…しかし何とかせねばなるまい、あやつをどうにかせねばこの森ましては我が子の命もなかろうて…愛しき我が子のためじゃ、我の全てをもって何とかせねばな!)

その時黒き靄の中から燃え盛る何かが飛び出してきた!

(…くっ…よりにもよってリプカベアーじゃと!)

ロックベアーが進化したのは身体から燃え盛る炎をだすリプカベアーだった。

リプカベアーは炎を撒き散らしながらフォレストウルフに突進する、撒き散らした炎が周囲の木々を燃やしてゆく

(これでどうじゃ!!ストーンウォール!!)

それと同時にフォレストウルフの目の色が紅くなる

リプカベアーの目の前に石の壁が出来上がりその周囲を植物の根が絡み付き補強するがリプカベアーの突進を受け粉々に砕け散る

(動きは止まった!アクアプリズン!)

巨大な水の球体がリプカベアーを閉じ込めるが体内の膨大な魔素によって生じる炎は消える事なく逆に水を蒸発させてゆく

(やはり我の出す水では、こやつはたおせぬか…)

フォレストウルフは泉がある方を見やり

(異界の者よ…我が子の事を頼んだぞ…)

するとフォレストウルフの身体が光出す

(これが!我の全身全霊を掛けた最後の攻撃じゃ!耐えれるものなら、耐えてみよ!!)

フォレストウルフの瞳が紅から黄金に輝きだす!

すると幾千もの根が大地より飛び出しアクアプリズンごと囚われたリプカベアーを幾重にも包み込む

(…くっ…まだまだじゃ!!ディ・ザード!!)

フォレストウルフが魔法を発動したその時、リプカベアーの周囲の大地が粒子の細かな砂に変わる、そして絡み付いた木の根はリプカベアーを引きずり込む

(ガァァァ!!!)

フォレストウルフの目から血が流れる

(これでとどめじゃ!)

フォレストウルフが一際強く輝く、その輝きは命の光

(出ること叶わぬ砂の牢獄へ!!我が命をもって案内してやろう!アースシェイカー!!!)

大地が激しく鳴動するとともにリプカベアーは大地に飲まれてゆく……

(愛しき我が子よ…何も遺せぬ母を許し…て…)

そう呟きながらフォレストウルフの身体は灰となってゆく

すると何処からともなく狼の遠吠えが聞こえてくる、それは死せる母に送る葬送の唄のようであった…

あたりは静寂をとりもどしその場所には…………


……我が子を想い死した一匹の獣の灰だけが残った………。





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