表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王の娘  作者: 大友うさぎ
楽好公主
13/29

邂逅

烏達は器用に駿馬の上から矢を放った。その矢は段光の右肩をかすめた。手綱さばきが乱れたところを狙って烏達は再び矢を放った。

「段殿!私をお渡し下さい!」

「大王の娘を容易く渡せませぬ!」

しかし、背後から迫り来る矢が無情にも段光の右肩に刺さった。乱れた手綱さばきで段光は馬を操れず、地面に体を叩きつけられた。

「段殿!!」

生来、馬を操ったことのない嬛は頭の中が真っ白になった。烏達は駿馬の腹を蹴る。そして一気に近づき、嬛の腰に手を回した。奪うように嬛を無理やり駿馬に乗せた。

「離して!」

「お前が公主」

烏達の顔は野性的で獣のような瞳をしている。嬛はその瞳に耐え難い力を感じた。黒真珠のような瞳には怯える嬛がはっきりと映っている。

「お願い!離して!離さないと」

 は手をばたつかせて烏達の腰に差してあった短刀を掴んだ。強引に鞘から短刀を抜き取ると、それを己の首に当てた。

「お前が求めた公主は死ぬ………!」

「なっ!」

嬛が短刀を首に当てて叫んだ。烏達は本能的に彼女が生来の公主であることを感じた。この女は恐ろしいと。

「沮渠王!」

前方から声がした。烏達が視線をやると段将軍が兵を連れて峠を塞いでいた。烏達は聞こえるように舌打ちをする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ