1-77 えぴろーぐ
帝が持って帰った認識票からは何も分からなかったそうだ。
今すぐに何かあるとは限らないから適当に考えていた。
「まぁまぁ、ハル君にはさとりちゃんの事を見抜いた鋭い洞察力があるんだよ!」
「ほとんどは私が教えたんだけどね。決定打は確かにハルが気づいたことだったわね」
姉さんが余計なことを言った。
「決定打はなんだったのかな?」
「えっ、その……」
さとりは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
何度目かもう分からない程のやり取りが繰り返される。
「ハル君……脱がした……とかかな?」
楓の手にはすでに鞘から抜かれた村雨が握られていた。
「今回はもっと凄いわよ!」
姉さんが火に油を注ぐ。
「お、落ち着け話せば分か……話せないけど許して!」
言える内容ではなくて、結局笑って誤魔化そうとした。
「問答無用!」
「ギャー」
俺の嬉しい悲鳴が響き渡る。
これまでは言われた通りに行動してきた。
しかしこれからは自分で決めなければならない。
だが今は友達もいる。道に迷った時はきっと相談に乗ってくれるはずだ。
そして俺だけに分かる事があった。存在しなくても感じることができる。
外は晴れ晴れしい晴天で、部屋の中に明るい光が差し込んでいた。
先ほどとは同じでも違う優しい声が聞こえる。
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一応これで終わりになります。
もしかしたら続きを書くことがあるかもしれませんが、しばらく更新することはないと思います。
読んでいただいた方々、本当に有難う御座います。




