1-75 身代わり
「俺はこの認識票を調べる」
そういって帝は認識票を手にした。
「さとりを調べてみたけれど、操っていた痕跡は全て消されて特定できそうに無いわ」
姉さんがさとりを調べてくれたようだ。
「さとりはただ操られていたわけじゃない。俺の本当の姉さんと同じように俺を助けるために手錠や鍵をあらかじめ渡しておいてくれたんだ……」
俺は傀儡の面をはずし、さとりにもたせた。
「さとりちゃん傀儡を大切にしてたからね。もしかしたら操られる自分と同じに見えていたのかな……」
「そうね、きっと自分の分身だと思っていたのでしょうね……」
「私のようには……中々難しいわよね」
その時不思議なことが起こった。
……面とさとりの体が光出した。
「えっ?」
そして飛び散っていた肉片や機械の部品がさとりの頭に戻っていく。
「まさか……」
俺はもしかしたらと思わずにはいられなかった。
そしてさとりは元通りになり……意識を取り戻した。
面と傀儡は役目を終えたかのように砕け散って消えてしまった。
「私……生きてるの?」
俺はさとりを抱きながら話した。
「たぶん、傀儡が助けてくれたんだ。自分と同じ傀儡だったさとりをね」
「私は生きて……操られてもいない……自由なの?」
さとりが死んだ時に操られた痕跡をすべて消された為、自由に動けるようだ。
皆、嬉しくて泣いていた。
帝だけは顔を見せないようにしていたが。
そして俺は帝とフレンド登録をした。
このようなことを二度と繰り返さない為に。




