1-71 戦闘はすぐに終わる
能力者同士が多人数で一人を拘束する場合、まず銃で動きを止めるのが有効だと考えられている。
一対一での力勝負は最後の手段ということだ。
「姉さん、行こうか!」
俺の能力は仮想画面を現実にすること。
触れることも出来るし気配もあるが実際には存在しない。
力を入れてそれと重なれば簡単に突き抜けてしまう。
しかし相手を惑わせるには十分すぎる力だ。
俺は複数の自分を作り出した。
またそれぞれの自分が銃や刀などさまざまな武器を持って相手に襲い掛かった。
相手は混乱し、闇雲に銃を撃ったが当たるはずもなかった。
「仮想画面の表示を切るんだよー。いったい何を慌ててるんだかねー」
しかしそれは無駄だった。
俺が現実に創造しているそれは相手を操って見せている物ではないからだ。
銃火器により煙が上がる。
これもすべて仮想画面で作り出したものだ。
俺は混乱に常時、一人ずつ確実に至近距離からの銃撃で倒していった。
相手も能力者だったがどこから来るか分からない攻撃には対処できなかったようだ。
そして最後に白衣の男が残る。
「えー、素晴らしい攻撃だねー。でも本当のお姉さんの方がもっと凄かったよねー? 僕が実験してあげれば君もお姉さんと同じようになれるよー?」
「ふざけるな!」
「えー、お姉さんも僕が実験したんだよー。無理矢理蘇生して実験したんだけどずっと君の名前を呼んでて煩かったよー。まぁ最後には僕の言うことを聞く素直ないい子になってたねー。あ、その時の事もっと聞きたいかなー? ちゃんとデータ取ってあるんだよー」
白衣の男は仲間が倒されてもまったく脅えておらず、ずっと変わらない口調で話していた。
「ハル、この人には生きる価値が無いと思うわ」
「そうだね、ねえさん」




