1-68 戦うしか
「そうですか、すべて分かっているのですね」
さとりは観念したように話しはじめた。
「私の事はどうして分かったのでしょう? その新しい能力ででしょうか?」
さとりは仮想画面に表示された姉さんを見ながら言った。
「いや違う……」
そして俺は決定的な事実を言った。
「俺は初めて試合した時、さとりが作った水溜りを……舐めたんだ」
偶然の出来事ではあったが最悪の行動だった。
「あれは人間の物では無かった!」
さとりは驚きを隠せない顔だ。
「そ、そんなことをするなんて……。貴方は本当に行動が読めませんね」
「さとりは……機械なのか?」
俺はどうしてもそれが知りたかった。
「その通りです。貴方の本当のお姉さんと同じ様な実験体です」
違っていてほしいと思った最悪の事実だった。
「さとりに意思はあるのか? 神無月家に操られているのか?」
「それを教えたとしても仕方の無いことでしょう」
「もし操られているならさとりを助けたいんだ……」
「貴方は本当に優しいのですね。しかし貴方を拘束しなければなりません」
さとりが仮想画面を操作する。
「マモナクシアイヲハジメマス」
「カイシセンマデ、サガッテクダサイ」
これは俺を逃がさないということだろう。
「どうしてもか? 和解することはできないのか?」
「それはできません。そういう風に設定されているのです……」
それはさとりが機械に……神無月家に操られているという決定的なことだった。
「ショウブ……ハジメ!」




