1-61 過去
帝が晴彦と見えない何か……深雪に赤い鳥を放つ。
二人は簡単に手で掴み、それを口へ運び食いちぎった。
「まずいね、おねえちゃん」
「そうね、でも帝はきっと美味しいわ」
帝は次々に赤い獣を放つがその全てを食されてしまう。
「どうして? どうしてなの……」
楓が悲しそうに呟く。
「これは本当に面倒な事になったわね……」
つぐみが小さな声で話した。
そしてさとりが皆に調査結果の説明を始めた。
「ハルさんが受けた実験は密室に親しい二人の子供を閉じ込めお菓子を渡すというものです。半分にする、奪い合う、譲る。ほとんどの場合が半分にするか奪うという結果でした」
「なぜそんなことを?」
瑠璃が分からないといった顔でさとりに聞き返す。
「物に力を与える。妖刀などですが、それは人が強くなる代わりに狂ってしまいます。その理由が恨みなどの負の感情であると神無月家は考えました。死に直面しても人を思いやる優しい感情なら力だけを与えて狂わないのではないかということです」
「最悪の実験ね」
瑠璃は嫌悪感をあらわにしながら言った。
「はじめは機械に繋ぐ部品の選別として行っていました。繋いだ後に狂ってしまうのを防ぐ為の安全策だったのですが、予期しない自体が発生しまいた。お菓子だけでなく……自らの肉体をも食べさせたのです。それがハルさんと深雪さんです」
楓も瑠璃も事情がよく分かっていないつぐみさえも絶句してしまった。




