1-49 いつも通りの朝
俺は試合の後、呆然としたまま立ち尽くしていたが瑠璃母に連れられて部屋で休んだ。
そしてよく眠れないまま朝を向かえ、朝食の席でまた呆然と立ち尽くしてしまった。
「おはよう変態。昨日の事は忘れなさい」
つぐみが普通に話しかけてきたのだ。
俺よりも元気そうだ。
「え、なんで? 死んだんじゃ?」
思わずそう言ってしまう。
「あれくらいで死ぬわけ無いでしょう? 何を言ってるのかしら」
うろたえる俺を無視して瑠璃家族で話が進む。
「私が勝ったから婚約は解消してもらうわ!」
瑠璃がハッキリと言い切る。
「仕方無い……。先方には私から連絡しておく」
瑠璃父は諦めて納得したようだった。
「それで日を改めて晴彦君とは婚約ということでいいのだな?」
「いいえ、そんなことしないわよ。私から改めて帝にプロポーズするのよ!」
瑠璃父は理解できないという感じだった。
「親同士の決めた事に従うつもりは無いわ。私は自分の好きなように生きる。本当の事を話したらまともに取り合ってくれないと思ってこういう事をしたの」
その場にいた全員が呆れていた。
「ハルはそうね……つぐみと婚約したら?」
「嫌よ、そんな軟弱な変態!」
「裸どころか体の中まで見られたのに、責任とって貰わなくて言いの?」
「忘れろ変態。学校で会っても貴方からは話しかけるな!」
「あははー……」
俺は適当な愛想笑いしかできなかった。




