1-48 凄惨な
両者とも神社の巫女装束のような服装で武器は持っていない。
同じ流派の戦いなので正々堂々ということだろうか。
部外者の俺がそんな戦いを見て良いのか少し考えたが、見ても俺にはどうせ何も分からないということだろう。
まったくもってその通りだ。
睨み合いが続いていたが、瑠璃が先に仕掛けた。
顔を狙った右手での殴打。
それしか俺には見えなかった。
目で追う事もできないほどの早すぎる攻防だがどちらも有効な攻撃を当てているようには見えなかった。
しかし途中から……血が飛んでいた。
それどころか肉片まで飛んでいる。
良く見ると両者の腕や脚の肉が削ぎ落とされている。
姉妹の戦いでここまでするのか……。
止めた方が良いのか、しかし手を出すなと忠告されている。
そんなことを考えている間も戦いは続いていた。
瑠璃が服を持ち、絞め技か投げ技かは分からないが技を掛けようとする。
つぐみは難なくそれをはずす!
「私にそんな技は効かないわ」
「それはどうかしらね?」
確かに殴打で肉を削ぎ落とすほどの威力が出せるならあまり絞め技などは使わないし、効きにくい。
そこで少しだけ動きが止まったときに気づいたが、いつの間にか両者の腕や脚の傷が治っている……。
驚くべきはその攻撃力ではなく回復力だった。
そしてまた瑠璃が絞め技を掛けようと服を取った。
「だから効かないといっている!」
つぐみは先ほどと同じようにはずそうとするが……技は決まってしまったようだ。
つぐみの服は瑠璃によって脱がされていた。
瑠璃と同じであまり大きく無い胸が、俺の目に飛び込んでくる。
「変態が見ているわよ?」
つぐみは一瞬体が硬直してしまい隙が出来る。
「うあああああ!」
俺は結果を見て叫んでいた。
つぐみの体を瑠璃の手が貫通し、その手には心臓と思われる物が握られていた……。
「ハルってあんがい気が弱いのね」
瑠璃が何か言っていたが俺には聞こえなかった。




