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1-43 バイト先への道中
俺は瑠璃の家に向かう道中ですでに後悔していた。
「どうして、こんな、辺鄙な、ところに?」
交通機関を乗り継ぎ、深い森の中へ入って数時間。いまだに人が居るような場所は見えてこない。
楓のご飯を毎日ご馳走してくれるという話を断って、お金の為にここへ着たが失敗だったかもしれない。詐欺とか犯罪の様な仕事じゃないと聞いていたがこんな所で一体何をするんだ?
「本当はそんなに遠くないのだけど道に迷っちゃったわ。許してね!」
ぜんぜん誠意のこもっていない謝罪を受けながら、ようやく瑠璃の実家に着いた時はすでに夜だった。
「神社なのか?」
鳥居のような物をくぐるときに背筋に寒気を感じだ。
「ん……なんだろ?」
「悪霊でも取り付いてたんじゃない? 一応神域だし」
俺は驚きの表情を浮かべ、冗談でもそういうの怖いのでやめてほしいと思った。いつもならここで姉さんの優しい言葉があるだけに俺はより一層怖くなった。
「冗談よ。父が機械とかのメッセージが嫌いで外部からの連絡が届かない場所だから、それを感じたのかしら?」
笑い声を上げながら瑠璃は話した。からかわれただけらしい。
そしてそのまま奥に進むとようやく瑠璃の家にたどり着いた。




