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1-37 本当の敵とは
そして漆黒の空間は晴れるように消えた。
「俺は危険な芽を摘んでおきたいのだが、お前達はどうしたい?」
「どうしてハルを拉致しようとしたの?」
瑠璃が帝に言った。
「俺の与り知らぬ事だった。神代家も一枚岩ではないという事だな。だが神無月深雪を排除すればもう手を出すことも無いだろう。二人とも居なくなる方が俺は好ましいがな」
しばしの沈黙が流れる。
「ハル君は……僕が護るよ!」
「私も殺してしまうのは賛成できません」
「まだ何もしていない人を裁くことはできないわ」
三人ともが晴彦を生かす選択をした。
「まぁ、いいだろう。お前達がそいつを見張っておけ。俺は最下層に行く」
「僕も行く。瑠璃ちゃん、刀を!」
「好きにしろ」
楓は瑠璃から刀を受け取り、帝の後へ着いて行く。
「私達はハルさんを外へ運びましょう」
さとりと瑠璃は晴彦に肩を貸し、外へ運ぶことにした。




