1-22 嘘のような本当の事
メッセージは学校からで月曜日の試合が屋外に変更になったというものだった。
そしてみんなが聞きたいのはメッセージの内容ではない。
俺は緊張で心臓の鼓動が早くなった。
「ハル、この子達ならきっと分かってくれるわ。正直に自分のペースでゆっくり説明すればいいのよ」
姉さんがやさしく励ましてくれる。
「こういうのは他人がどうこうできる問題じゃないの。心の病だよ!」
楓が説明する。
「ハルさん、言いたくないことは言わなくてもいいんですよ」
さとりが助け舟を出す。
「貴方たちも聞いてないの? こういうのはハッキリさせたほうがいいと思うんだけど」
瑠璃は尚も聞くつもりだ。
「信じられないと思うけど姉さんのことを話すよ」
俺は覚悟を決めそう言った。
「子供のときの記憶は曖昧でうろ覚えなんだが、今から十年くらい前に姉さんは死んだらしい。
生きている時の記憶はあるが死んだときの記憶は無いよ。
気づいたときにはもう姉さんは俺以外に見えなかったし触れることもできなかったよ。
子供のときは姉さんは予知とかもできなくて、周りからは見えない幽霊みたいな感じだったかな。
この学校に入って、能力者として少しずつ力を挙げて来た時かな? 姉さんが予知をできるようになったのは。
姉さんは俺の妄想かもしれない。でも姉さんを俺は感じるんだ。
そして姉さんは今もここに居る。俺の後ろからそっと抱きしめてくれているよ」
俺は覚えている限りの記憶、そして今の能力や現状を自分の分かる範囲で精一杯を伝えた。
「ハル、落ち着いてよく言えたね。みんな分かってくれたはずよ」
誉めてくれる姉さん。
「そういうことだったのね」
納得する楓。
「ハルさんはお姉さんの事を信じているんですね」
俺の心を察するさとり。
「つまり貴方の能力は予知ができる姉さんを妄想、もとい創造することね! やっぱお姉さん死んじゃってるし」
最後に俺の心をえぐる瑠璃。
「あー、すっきりした。貴方は変態だけど面白いからフレンド登録してあげる」
散々な言い様だったけど俺はすべてを許すことにした。




