1-20 過剰な確認
「姉さん、これは少しやりすぎたんじゃ?」
俺は自責の念で心が痛かった。
「ハルを傷つけたこの女は、これでもまだ許せないくらいよ」
容赦の無い姉さんの声。
「それにしてもこの子はどうして遠距離で戦ったのかしら? 接近戦なら勝ち目は無かったわ」
姉さんが不思議そうに考えている。それよりも俺は相手の状態が気になった。
「姉さん、これは死んでるとか無いよね?」
「大丈夫よ、ハル。生きているし、傷も浅いはずよ」
「高レベルの能力者は信じられないほど頑丈よ。特に神楽家は抜きん出ているわ。確認してみなさい?」
姉さんの言う通りにしてみる。
息は確かにある。
傷が無いか服を脱がし確認するが確かに目立ったものは無い。
そして胸は姉さんより小さい。
腰の括れのラインも姉さんの方が美しい。
下着は子供っぽくシンプルなものだ。姉さんのは魅惑的で興奮する。
「ハル……一体何を確認しているの……?」
俺は姉さんのすばらしさを改めて確認していた。
「また勝ったみたいね。やるじゃないハル君!」
「お疲れ様です」
一人増えた俺の友達が声を掛けてくれる。
「って、なにをしているの!」
「ハルさん、なにを……?」
二人の目には敗者を脱がせ辱めている俺の姿が映っていた。
そして楓に詰め寄られ弁解をしようとしたがその暇は無かった。
「う、うーん……」
ここで瑠璃が意識を取り戻す。
「え、どうして……? キャアアア!」
俺は思いっきりグーで殴られ体がくの字に曲がる。
姉さんは何も教えてくれなくて、避けれなかった。
俺を傷つける奴は許さないんじゃ?
「余計な確認をしていた罰よ」
姉さんのすばらしさを確認しただけなのに酷い。
それは置いといて、俺にはまだやることがある。
自分の傷の手当もそこそこに、服を身に着けていた瑠璃に話しかける。
「さて俺が勝った訳だが、一つ願い事を聞いてくれるんだったな?」
「はっ? 敗者を辱める最低の野郎の言うことを聞く訳無いじゃない!」
当然の言い分だが俺にはまだ切り札があった。
「先ほど脱がした時のデータをどうしようかな?」
最悪な切り札だった。
「……最低!」
またグーで殴られた。姉さん教えてよ……。
しかし俺には止められない重要なことなんだ。
「ご飯をご馳走しろ!」
俺はもう腹ペコだった。




