1-18 勝負に勝って試合に負け……る?
開口一番対戦相手の瑠璃から提案があった。
「カードで勝負しない?」
俺は快く承諾した。
「ディーラーはこれ、美濃さとりが作ったものよ。もう知ってるわね?」
俺のことはやはり調べられているようだった。
「ああ知っている」
「じゃあ、特に疑わないわね? カードの勝負内容は貴方が決めて」
相手は油断とも思える余裕の発言をしてきた。
「なら、勝負内容は……」
結果はすぐにでた。
「まさか私の順番が回ってくる前に全て取ってしまうなんて……」
「皇帝側が圧倒的有利なのにどうして?」
「手札が見えるのかしら。毎回私より強いときにしか勝負しないのね!」
連戦連勝、すべて俺の勝ち。まぁ当然の結果だ。
手を変え品を変え相手もいろいろしてきたが、俺と姉さんの敵ではなかった。
「まだするか? 俺はまったく負ける気がしないが」
「もう降参よ、貴方とはカードで賭け事はしないほうがいいみたいね」
「じゃあ悪いが拘束させてもらう」
さとりに貰った手錠を出そうとしたが……。
「嫌よ」
「えっ?」
俺は情けない声を上げてしまった。
「そんな口約束守る訳ないじゃない。今のはただ貴方の予知能力を確認しただけ」
俺はまんまと乗せられたって事か。
「ああ、馬鹿の確認もできたかも」
俺は少し前の自分に言いたい。人を信用するなと。
「でも、姉さん、姉さん言ってるただの変態かと思っていたけど中々の能力ね」
「この試合が終わったら、私の奴隷にしてあげてもいいわ」
俺は姉さん以外に従うつもりは無い。
「いいだろう。ただし、この試合にお前が勝ったらだ」
「そして俺が勝ったら……」
「貴方が勝ったら?」
「フレンド登録して下さい!」
「嫌よ」
即答だった。俺の心からの願いをなんて奴だ。
「そうね、私が万が一負けたら簡単なお願いを一つくらいなら聞いてあげる」
さとり作の傀儡ディーラーがテーブルを体にしまい、隅に移動する。
便利だな、今度俺も作ってもらおうかな。おいしいご飯作ってくれるのがいいな。
あー、お腹空いた。早めに終わらそう。なんてことは言えない。
ご飯を食べる為に死なないよう頑張ろう。




