1-15 計画通り
そして俺達はご飯を食べに……ではなくて調理器具を買いに来ていた。
「ハル君の部屋にあったの全部子供用で使いにくかったんだよ!」
俺は小さい頃からずっと同じ物を使っていた。捨てようと思ってもなぜか捨てられない。誰しもそういうものがあるはずだ。あるよね?
「とにかく早くご飯を食べよう」
「美味しいご飯を作る為だよ! あー、これもいいね。迷っちゃうよ!」
中々決まらずかなりの時間が経った。
「ハル、女の子の買い物は時間が掛かる物よ」
姉さんの言葉通り、買い物は長時間かかった。
結局途中にも何も食べさせてもらえなかった。
「じゃあ、私はここまでね。ハル上手くやるのよ」
姉さんはそういってどこかへ行ってしまった。
昼食どころか夕食の時間も過ぎ、足早に俺の部屋に帰る。
部屋についてすぐ楓の手によって料理ができあがった。
「本当に何から何まで有難う、でももう自分で食べれるから大丈夫だ!」
楓がまたしても右手を怪我していた俺に食べさせようとする。
「本当に大丈夫? 僕は受けた恩は必ず返したいんだよ!」
結局、押し切られた俺はそのまま食べさせてもらった。
「ふふーん。素直でよろしい!」
何が楽しいのかとても嬉しそうだった。
「ここまでされたら俺も何か楓にしてあげないとな」
「別に良いよ! 僕はしたい事をしてるだけなんだから!」
そういう楓を無理矢理持ち上げ、お姫様抱っこの様な形になる。
「わわ、何?ちょ、ちょっとはずかしいよ!」
恥ずかしがる楓、でも抵抗は無かった。
そのままベッドまで楓を運んだ。
「こ、こういうのはまだ早いと思うんだ……」
楓の顔を見つめながらそっと囁いた。
「今度は俺が恩を返す番だ。楓は何もしなくて良いよ。俺に任せて……」
「うん……」
楓は小さく頷き承諾した。
そのまま夜は更けていき、楓が帰ったのは真夜中のことだった。




