表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

拍手小話:アマゾナイト



 相変わらずきれいな顔をしているなぁ、と正面にいるジルを観察していたら、ふと閃いた。


「ジルの瞳の色は、石にたとえるならアマゾナイトでしょうか」

「アマゾナイト?」

「はい。アクアマリンだと薄すぎるし、エメラルドほど緑じゃないですから。ヒスイも近いような気もしますけど」


 ジルは宝石にあんまり詳しくないんだろうか。

 まあ、アマゾナイトは宝石というより輝石だよね。硬度は低くなかったはずだけど。

 パワーストーンとしてもあんまりぱっとしなかったような気がする。不透明だったからかな。

 アクアマリンとかエメラルドはすごく人気が高かった。宝石としても人気だし、当たり前なのかも。

 ジルの瞳はどっちつかずな色だから、光の加減でも見え方が変わって、表現しにくい。

 青みの強いエメラルドにも見えなくはない……のかな。どうだろう。


「アマゾナイトは和名がきれいだったんですよね。ああ、どうして漢字を書けないんだろう……!」

「異世界の言葉を輸入するわけにいかないからじゃないかな」


 世界の理とかってやつですか、そうですか。

 日本語を話せないのもそういう理由なのかな、やっぱり。

 まあ、今はそんなことどうでもいいんだけどね。


「あとは……アマゾナイトといえばストレス軽減の効果があるんですよね。わたしのストレス軽減に手伝ってくれますか?」

「僕にできることなら」


 なんとなく思いつきで言葉にすると、予想よりも食いつきがよかった。

 なんですか、親切週間か何かですか。

 じゃあ、遠慮なく言わせてもらいます。


「金輪際わたしを口説かないでください」

「無理だね」


 にっこり笑顔でわたしが言うと、ジルもにっこりと笑って返してくる。


「即答ですか」


 くっそう。もう少し考えたっていいじゃないか。

 だいたいわたしは子どもだよ?

 子どもを口説いたって変態扱いされるだけで、いいことないよ?


「できない約束は最初からしないほうが優しさだよね」

「ポジティブすぎる……さすがアマゾナイト……!」

「エステルはこじつけがすぎると思うよ」


 そんなことありません。

 と、わたしはとぼけておくことにした。







和名:天河石

石言葉:穏やかな心・聖なる愛情、など

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ