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拍手小ネタ:シュア家ご当主さまのとある日の日誌



○月 ×日  晴れ


 今日はエステルの四歳の誕生日だ。

 この年まで無事に育ってくれたことを嬉しく思う。

 エステルは身体が弱い。医者に見せても原因がわからないから、未発見の病気なのかもしれない。

 最近は調子が良いようで、発作を起こさない。このまま何事もなければいいのだけれど……。

 この間も母が危ない薬を食事に入れようとしていたのを、間一髪のところで阻止した。

 母よ、その妙な薬の危険な臭いになぜ気づかない……。

 様々な懸念はあるものの、今日という良き日を迎えられたことに、感謝を。



****



△月 ◇日  雨


 エステルはどうやらアレクシスの友人であるジルのことが苦手らしい。

 たしかに少し変わったところはあるが、礼儀正しくていい子だと思うのだけれど。

 子ども同士のいざこざに、いたずらに大人が首をつっこむものではないとわかっているが、心配だ。

 イーツ家の当主とは私自身も交流があるから、何か失礼なことをしては申し訳ない。

 まあ、エステルは子どもとは思えないほどしっかりしているから、大丈夫だろう。

 こんなことをいちいち気にしているから、妻にも「あなたは本当に心配性ね」などと言われてしまうんだろうか。

 これくらいは当然のことだと思いたい。



****



□月 ◎日  くもり


 最近、アレクシスとエステルが仲良くしているところをよく見かける。

 以前から仲が悪かったわけではないが、年が離れているからか、あまり関わることがなかったようだったのに。

 仲が急速に縮まるような何かがあったのだろうか?

 二人ともしっかり者だから、親に相談するようなこともなくて少し寂しい。

 妻になら何か言っているだろうかとも思ったが、特に何も聞いていないらしい。

 晩餐のときにそれとなく聞いてみたものの、二人とも特に何もないと言うだけだ。余計に気になる。

 とはいえ、仲が良いことは喜ばしいことだ。気にはなるけれど、大人はどっしりとかまえて見守っていよう。







本編一幕~十幕くらいまで。

四十一幕にてやっと初台詞をもらえた、名前のないご当主さま。

(追記:と思ったら三十一幕でも一言だけ台詞がありました)

影でこんなことを思っていました。

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