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予想外の再会

作者: 尚文産商堂

偶然の出来事だった。

ごく偶然の出来事で、俺たちは再会することができた。


その日は、電車が人身事故によって大幅に遅れていたから振り替え輸送を使っての帰宅となった。

途中、いつも乗っているバスへと乗り込むと、かなり空いていて、一番後ろの席に座れた。

俺の3人ほど後に入ってきた女性が、俺のほうを見て笑顔になった。

誰か一瞬わからなかったが、横に座られたときにはっきりとわかった。

「もしかして、高岡さん?」

「あら…ああ、佐良くんね」

高岡さんはすでに気づいていたと思ったが、実のところ、わからない。

間違っていなかったという気持ちが、先に来て、ほっとしている自分がいた。

「確か、中学校の時以来、だよな」

「卒業以来、ね」

覚えててくれていたようだ。

「大学の帰り?」

「そ。栄養学部でね、栄養士目指してるのよ」

彼女はそういってくれた。

「佐良くんは?」

「教育学部。中学校の先生になりたくてさ。それで、必死こいて勉強中」

「そっか。夢、持てたんだね」

「ああ、まあな」

紆余曲折はあったが、ここで語るには、あまりにもスペースが少ない。

「よかったじゃないの」

「まあな」

彼女に励まされて、さらにうれしくなった。


「あ、ここで降りないと」

とあるところのバス停に着くと、彼女は立ち上がった。

昔と変わらないところに住んでいるようだ。

「じゃあ、バイバイ」

「うん、バイバイ」

彼女はタタッと降りた。

俺はそんな彼女を、バスの窓越しに見つめていた。

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